猫の「ウールサッキング」4つの原因と気をつけるべき危険な事故 やめさせるための対処法も

2024-03-24 11:00

猫の問題行動のひとつに「ウールサッキング」というものがあります。一般的にはあまり聞きなれない行動かもしれませんが、どの猫にも起こりうる行動で、放置してしまうと思わぬ事故に繋がる危険性もあります。「ウールサッキング」とはどのような行動なのでしょうか。

「ウールサッキング」とは

布団を齧る猫

猫の問題行動のひとつである「ウールサッキング」とは、毛布やぬいぐるみ等の柔らかい素材のものに吸い付いたりかじったりしてしまうことです。

さらに、このような布素材のものだけでなく、ダンボールや紐類、ビニールなどもかじってしまうことがあるので、猫が誤飲してしまう可能性もある危険な行動です。

猫にはよく見られる行動ではありますが、あまりに頻繁に続くようであれば「常同障害」の可能性もあります。猫がストレスやフラストレーションを感じ、これが原因となりひとつの行動に執着し繰り返すという症状が常同障害です。

物をかじる行為を繰り返していると、飲み込んで体調を崩してしまったり腸に詰まったりして大きな事故に繋がりかねません。

「ウールサッキング」をしてしまう4つの原因

ふみふみする猫

では、猫が「ウールサッキング」をしてしまう原因には何が考えられるのでしょうか。

1.ストレス

引っ越しや新しい家族を迎えたときなど、環境の変化によるストレスでウールサッキングをしてしまうことがあるようです。

他にも留守番の時間が長かったり、トイレが汚いというような生活環境に不満があったりするときにストレスを感じて、ウールサッキングをしてしまう場合があります。

2.早期離乳

猫が親猫から離れる時期が早いと、毛布などを母親に見立ててウールサッキングをしてしまうことがあります。猫にはよく見られる、母乳を吸うときの「ふみふみ」と呼ばれている行動です。

この行動は成猫になって落ち着く子もいれば、ずっと続ける子もいます。

「ふみふみ」は手だけで行う猫もいますが、布などの柔らかいものを母猫の乳首に見立てて吸ってしまう猫もいるので、ウールサッキングになってしまうのです。

3.遺伝

「ウールサッキング」には、実は遺伝的な原因もあると考えられています。

「シャム」や「バーミーズ」などアジア系の品種の猫に多く見られると言われています。

4.異食症

布製品を吸うだけでなく、かじって食べてしまうのであれば「異食症」の可能性があります。

異食症とは、栄養不足や神経に異常があるときに見られる行動なので、急に誤食が増えたのであれば獣医師に相談してください。

「ウールサッキング」の対処法

紐をかじる猫

猫の「ウールサッキング」をやめさせるためには、まず猫の生活環境を見直してみましょう。

  • トイレやベッドは清潔か
  • 騒音がないか
  • 同居猫との関係性

まずはこれらを見直して、猫のストレスになっている原因を取り除きましょう。さらに、猫と遊ぶ時間を増やし、フラストレーションを解消してあげることも大切です。

また、誤飲や誤食を防ぐために、ウールサッキングをしてしまう対象物は片づけるようにしましょう。猫用のけりぐるみなど、かじっても壊れにくいおもちゃを代替品として与えるのもおすすめです。

食欲不振やぐったりした様子や、過剰なグルーミングというような異常行動が見られる場合には、すぐに動物病院へ連れていきましょう。

まとめ

毛布を齧る猫

ウールサッキングはどの猫にも起こりうる問題行動で、悪化すると体調不良を引き起こしたり、ひどくなると命にも関わる可能性もあります。

飼い主が見ていないときに誤飲してしまうこともあるので、猫が口にしてしまう危険性のあるものは片づけるようにしましょう。

ウールサッキングを完全に無くすことは難しいですが、事前に対策をしていくことで事故を未然に防ぐことができるので、注意深く見守るようにしてくださいね。

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