2025年の“予定トレンド”が発表 AIセミナーが象徴した学びの広がりとは

2024-03-26 14:30

2025年も終盤に差し掛かり、日々の「予定」にどんなキーワードが増えていたのかを振り返る興味深い調査が発表されました。予定アプリ「TimeTree」に登録された膨大なデータをもとに、この一年を象徴するワードを選ぶ『Schedule of the Year 2025』です。生活者が実際に登録した“行きたい場所”や“参加したいイベント”、そして“これからの学びや準備”までが反映されているため、トレンドを読み解く材料として非常にユニークな視点だと感じました。

大賞には、今年大きく盛り上がった「万博」が選ばれ、多くの人が大型イベントを楽しみにしていた様子が伺えます。一方で、全6部門のノミネートを見ていくと、Z世代の食トレンド、映画やアーティストの動き、社会的な話題まで、私たちの暮らしの輪郭をそのまま切り取ったような言葉が並びます。

なかでもミライクエストの読者として気になるのは、未来を示す“ネクストトレンド部門”です。美容・スポーツ・ライフスタイルに加えて、唯一のビジネス系ワードとして「AIセミナー」が選ばれていました。予定登録が大きく伸びた背景には、2025年の社会全体でAI技術が一段と身近になり、学び直しや活用スキルを求める動きが広がっていたことが読み取れます。

本記事では、アワード全体を俯瞰しつつ、特に“AIセミナー”が象徴する新たな潮流を中心にまとめていきます。

「Schedule of the Year 2025」とは?予定データから一年を振り返る取り組み

TimeTreeの社内研究所である「TimeTree未来総合研究所」が、ユーザーが登録した予定データをもとに今年を象徴するワードを選び出す取り組みとしてスタートしたのが「Schedule of the Year 2025」です。対象となったのは、2025年1月1日から10月31日までに登録された国内の予定タイトルで、前年との比較により登録数が大きく伸びたキーワードが抽出されています。

アワードでは「おでかけ」「映画」「アーティスト」「フード」「社会」「ネクストトレンド」という6つの部門が設けられ、各部門ごとに5つのワードをノミネート。その中から今年の象徴として選ばれたのが「万博」でした。予定の登録数推移からも、開幕以降の盛り上がりや大型イベントの影響が大きかったことが読み取れます。

“予定”を手がかりにトレンドを見るというアプローチは珍しく、日常の行動データだからこそ、生活者の感覚がダイレクトに反映されている点が特徴です。

6部門から浮かび上がる、2025年の行動トレンド

今回のアワードでは、私たちの日常の「予定」がどの分野で増えていたのかが6つの部門から示されています。おでかけ部門では、開幕以降多くの人が訪れた「万博」が圧倒的な登録数となり、今年を象徴する存在になりました。映画部門では「鬼滅の刃」が1位となり、公開初日の勢いがそのまま予定データにも表れていました。

アーティスト部門では「ちゃんみな」がトップに。全国ツアーの開催や、関連オーディション番組の盛り上がりが予定の増加につながったと感じられます。フード部門では「アサイー」が再び注目され、コンビニやカフェでの商品展開が話題を後押しした印象です。

社会部門では「マイナンバー」が1位となり、手続きの期限や制度変更が多くの人の予定に影響していたことが伺えました。

こうした6部門を見ると、イベント・娯楽・生活・社会の動きまで幅広い領域で2025年の関心が広がっていたことがわかります。そして、未来を考える上で注目したいのが、この後に続く“ネクストトレンド部門”です。ここには次に来る動きとして、スポーツ、美容、ライフスタイル、そしてビジネスまで多様なテーマが並び、その中にはミライクエスト読者として特に見逃せないワードも含まれています。

ネクストトレンド部門に見る“次に来る動き”

6部門の中でも、未来の兆しを読み取る上で特に興味深いのが「ネクストトレンド部門」です。ここには、これから注目度が高まりそうなテーマとして「ピックルボール」「耳つぼ」「自然界隈」「AIセミナー」「地域クラブ」の5つが選ばれています。

内容はスポーツ、美容、ライフスタイル、教育など幅広く、一つのジャンルに偏らないことが特徴です。例えばアメリカで急速に人気が高まっているニュースポーツ「ピックルボール」や、若年層を中心に支持を集める「耳つぼジュエリー」、SNSをきっかけに盛り上がった「自然界隈」など、日々の生活から生まれる小さなブームが予定の登録数にも反映されていました。

また、地域クラブのように社会制度の変化が背景にあるテーマも含まれており、次の一年に向けてどんな価値観が広がっていくのかを考えるヒントが詰まっています。

そして、この5つの中でもミライクエストとして特に気になるのが「AIセミナー」です。ビジネス領域のワードとして唯一ノミネートされており、予定データの伸び方も顕著だったことから、2025年におけるAI学習の広がりを象徴する存在と言えそうです。

急増する「AIセミナー」——2025年を象徴する学びの広がり

※イメージ画像

ネクストトレンド部門の中で、唯一ビジネス領域に分類されていたのが「AIセミナー」です。予定登録数が大きく伸びていた理由として、2025年は社会全体でAI技術の浸透が一段と加速したことが背景にあります。企業や自治体、専門家によるセミナー開催が増え、働く人が“学び直し”の機会として活用する場面が広がっていた印象です。

予定データを見ると、個人の興味関心がビジネス領域にも広がっていることが読み取れます。生活の中でAIを使う場面が増えるにつれ、「基礎から理解したい」「業務に活かしたい」というニーズが高まり、セミナーの参加予定が自然と増えていったのだと考えられます。

また、AI関連イベントは内容も形式も多様化しており、入門向けの講座から専門的なテーマを扱う勉強会まで幅広く開催されています。こうした選択肢の増加により、誰でも学びやすい環境が整いつつあることも、予定登録の伸びに影響した一因と言えそうです。

今回のアワードで「AIセミナー」がピックアップされたことは、テクノロジーがより身近になり、仕事や生活に自然と組み込まれていく流れが可視化された結果ともいえます。2025年の予定データは、AI活用が“特別なスキル”から“当たり前の教養”へと移り変わる過程を示しているようにも見えました。

予定データが示す、これからの“未来の兆し”

大量の予定データを分析して一年を振り返る取り組みは、従来のトレンド調査とは少し違う視点を与えてくれます。人々が実際にどんな行動を計画し、何に時間を使おうとしていたのか。その積み重ねは、社会の空気感や価値観の変化をそのまま写し取ったものとも言えます。

今回のアワードでは、大型イベントの盛り上がりやZ世代のライフスタイル、手続きや制度変更といった社会的な動きなど、日常と未来をつなぐ多様な兆しが見えてきました。その中で「AIセミナー」が存在感を示したことは、2025年の学び方や働き方が確実に変わりつつあることを象徴しているように感じられます。

テクノロジーが生活に溶け込む一方で、新しい知識を自分のペースで取り入れたいという人も増えています。予定データから読み取れる動きは、そうした姿勢が広く定着し始めていることを知らせているのかもしれません。

来年はどんなワードが伸びるのか、そしてAI関連の動きがどこまで日常に入り込んでいくのか。予定という身近な記録から始まる未来予測に、引き続き注目していきたいところです。

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