自民党の派閥の裏金事件。一向に明らかにならない実態の解明に向けて、岸田総理自ら、安倍派幹部の聴取に乗り出しました。
【写真を見る】岸田総理自らが安倍派幹部を聴取 異例の対応で“キックバック”経緯の解明は?【news23】
“裏金事件”総理自ら安倍派幹部を聴取
安倍派 西村康稔前経産大臣
「承知しておりません」
安倍派 塩谷立元文科大臣
「全く承知しておりません」
安倍派 世耕弘成前参院幹事長
「私もはっきり言ってわかりません」
安倍派 下村博文元政調会長
「私も全く承知しておりません」
「知らない」が繰り返され、政治倫理審査会の場でも実態解明には繋がらなかった自民党・安倍派の裏金事件。進まぬ事態に26日、岸田総理自らが安倍派幹部の塩谷元文科大臣と下村元政調会長の聴取に乗り出しました。
最大の焦点は、安倍派で所属議員に対して、長年行われてきた派閥パーティー券の売り上げの“キックバック”を巡る経緯の解明です。
おととし4月には会長の安倍元総理が「不透明で疑念を生じかねない」などとして、「廃止」する方針を決定。
しかし、7月に安倍氏が死去後に急転、“再開”が決まった経緯について、幹部の言い分は食い違いを見せています。
自民党執行部は、“キックバック再開”を協議した会議に出席した4人の幹部の責任は重いと考えており、27日も残る幹部2人の聴取を進めた上で、「選挙での非公認」以上の処分を下す方針です。
自民党内の反応も割れています。
自民党議員
「不起訴になった議員の処分にしては重すぎる」
自民党大臣経験者
「非公認では世論はとても納得しない」
一方の“キックバックの開始”の解明を巡っては、岸田総理が派閥の会長だった森元総理への聴き取りを行えるのかがカギとなりそうです。
「本当にやってほしいのは政治資金規正法の改正」
小川彩佳キャスター:
総理自らが聴取ということですけど…
藻谷浩介さん(日本総合研究所 主席研究員):
真相が何だったのかを解明しなければいけませんし、同時に組織としてちゃんと懲罰をしなきゃいけない。この二つをちゃんとやるのはいいんだけど、トップがやんなきゃいけないのかっていうのは釈然としません。逆に言うと、組織的にどうなんだろうと思います。
さらに言うと、我々やっぱり岸田さんに本当にやってほしいのは、政治資金規正法の改正だと思います。やはり、税金払わずにお金をもらって、政治目的に使ったというだけで証明もせずに、税金を払わずに済むというこのシステムは、もう存続を僕たちは許さない。その点まで踏み込んでいただきたいです。