健康被害の報告が相次ぐ小林製薬の「紅麹」。アオカビから発生する天然成分「プベルル酸」という物質が検出されたと厚労省が明らかにしました。先に会見を行っていた小林製薬側は当初明らかにせず、質問が集中しました。
【画像で見る】“紅麹サプリ”から「プべルル酸」 健康被害との関係は?
“未知の成分”は「プベルル酸」の可能性…厚労省が明らかに
厚労省担当者
「小林製薬が行った試験を踏まえて、プベルル酸がひとつの可能性として同定された」
厚労省は、健康被害が報告されている小林製薬の「紅麹」の成分について、「プベルル酸」という物質が検出されたと明らかにしました。
厚労省担当者
「アオカビが産生する天然化合物と報告されている物質。近年は抗マラリアの活性が報告される。マラリアを殺す活性があるということなので、毒性は非常に高いと考えている」
毒性は高いとしながらも、健康被害の原因と特定したわけではないとしています。
厚労省が会見を行ったのは、午後4時ごろ。
これまで「未知の成分が混入した可能性がある」としていた小林製薬も午後2時から会見を行っていましたが…
記者
「未知の成分の解析はどのくらい進んだ?」
小林製薬 ヘルスケア事業部 梶田恵介 食品カテゴリー長
「この1週間で構造まではだいぶ見えてきた。現時点ではどの構造体かは明確に解明できていないので、ここまでは控えさせていただく」
具体的な成分名は明かしていませんでした。
会見中に厚労省が「プベルル酸」の存在を明かしたことが現場に伝わると…
記者
「厚労省が発表したのに、なぜ今回の記者会見で発表しなかった?」
小林製薬 ヘルスケア事業部 梶田恵介 食品カテゴリー長
「そこは事前に把握しておらず、準備できていなかった。我々が取り扱ったことがない成分で、普通にはなかなか入らない成分ということで、どのような作用を持っているのか正直我々わかっていない」
小林製薬 製造本部 山下健司 本部長
「カビが生えるようなところがないか、混入する可能性があるところがないか、製造ラインすべてにおいて総点検している」
これまで5人の死亡、114人の入院を確認しているという小林製薬。
武見厚労大臣は…
武見敬三 厚労大臣
「新旧の製造工場に対して立ち入り検査を行うこととしている」
大阪市などにある製造工場に30日、立ち入り検査を実施するということです。