子どもたちの視力低下が問題視される中、文部科学省がおよそ9000人の小中学生を調査したところ、裸眼での視力が0.3に満たない小学1年生の割合はおよそ1%だったのが、中学3年生では30%に増えていることが分かりました。
この調査は、文科省が3年間にわたって全国29校の小中学生およそ9000人を対象に、眼球の状態や視力などを調べその対策を検討したものです。
それによりますと、裸眼での視力が0.3に満たない子どもの割合は、小学1年生ではおよそ1%だったのが、中学3年生ではおよそ30%まで増加していて、そのほとんどは近視でした。
また、長くなると近視がすすむ眼球の奥行きの長さ=「眼軸長」も調査したところ、学年があがるにつれて長くなり、中学3年生になると男女ともに平均で24ミリを超え、成人とほぼ同じ長さになっていました。
小中学校においてもデジタル端末の利用が増えていますが、文部科学省は、視力の低下を防ぐには長時間、近くのものを見続けないようにすることや、休み時間などにはできるだけ外で過ごし太陽の光を浴びることが重要だとしています。
読書や勉強、スマホを見る際にも、できるだけ明るい部屋で対象物から目を離し、30分に1度は20秒以上、目を休めることを推奨しています。
調査では、中学3年生の7割以上が、スマホやゲームをする際の「目を休めるルール」を決めていなかったり守っていなかったりすることも判明。予防のためには、「自分の目は自分で守る」意識を持つことが重要だと強調しています。