柔道の日本一決定戦、選抜体重別選手権が福岡で開幕した。今大会は5月にアブダビで行われる、世界選手権の最終選考会をかねており、2日間で男女それぞれ7階級の熱戦が繰り広げられる。
大会1日目の男子66㎏級では田中龍馬(22、SBC湘南美容クリニック)が優勝し、その弟である田中龍雅(19、筑波大学)が男子73㎏級で初優勝。同じ日に兄弟そろって日本の頂点に立った。
まず決勝の舞台に立ったのは兄・龍馬。アジア大会、ワールドマスターズを制した実力者だが、試合は14分を超える長さに。それでも執念の横車で技ありを奪い、2021年以来2度目の優勝を決めた。
弟の龍雅は兄の熱戦に奮起。兄からの声援も力に変えて気迫のこもった試合を見せる。試合時間3分49秒で合わせ技一本で初優勝。兄弟同日優勝を果たした。
試合後には2人そろって取材に応じ、お互いの試合の印象を求められると、兄・龍馬は「やってくれると信じていた。正直自分のことで精いっぱいだった」と打ち明け、弟・龍雅は「長くてハラハラした。自分の試合より精神的にきつかった。(兄からの声援は)ずっと聞こえていて心強かった」と話し、お互いの健闘を称えあい笑顔を浮かべた。