イスラム組織「ハマス」との戦闘開始から半年となった7日、イスラエル軍はガザ南部からの撤収を発表しました。その背景には何があったのでしょうか。
【写真を見る】戦闘開始から半年…イスラエル軍 ガザ南部から撤収の思惑は? 須賀川記者解説 110万人が「壊滅的飢餓」に【news23】
イスラエル軍とイスラム組織「ハマス」との戦闘開始から半年が経過しました。
激しい戦闘を行っているガザ南部ハンユニスについて、イスラエルは7日。
イスラエル ガラント国防相
「部隊は撤収を始め、次の任務に向けた準備を進めている」
ガザ南部のハンユニスからイスラエル軍の多くの部隊が撤収を始めたことを明らかにしました。
イスラエル軍はなぜ撤収したのでしょうか。
須賀川拓記者(23ジャーナリスト)
「表向きには戦略的な撤収とイスラエルは説明しているが、国内では人質が帰ってこない事に、大きな不満が溜まっている。外交的にみても(支援国の)アメリカのNGO職員を殺害されていますから、『戦略的な撤収』というよりも『内政・外交的な要素』が多く絡んでいる」
停戦と人質解放の行方は?
須賀川拓記者(23ジャーナリスト)
「人質が帰ってきていない。ハマスの殲滅も長い間、軍事作戦を続けておきながら出来ていない。にもかかわらず、停戦交渉も進まない。
撤収と言いながらも現在進行形で南部の空爆は続いている。イスラエル側の方針が完全に切り替わったとは言えない。これまで通り、南部への攻勢は再び強めて、大量の死者が出るような軍事作戦が遂行される可能性は残されている」
長引くガザでの戦闘で死者は3万3000人を超えています。
人道危機も深刻さを増していて、WFP(=世界食糧計画)によると、人口の半分にあたる約110万人が飢餓の深刻さを示す指標で最悪の「壊滅的飢餓」の状態にあるとみられています。