猫は体調の悪さを隠す動物です。そのため日ごろから愛猫の様子や体の状態をしっかりと観察し、小さな違和感も見逃さないようにしなければいけません。今回は、実は重大な病気が隠れている可能性があるのに見逃されがちな4つのサインについて紹介します。早期に適切な治療へつなげるためにもぜひ覚えておきましょう。
1.食欲があるのに体重が急激に減る
食事の量が減れば痩せるのは当然ですが、もし愛猫に食欲があるにもかかわらず、体重が急激に落ちたり、継続的に減少したら、それはなんらかの病気のサインです。
健康な猫がしっかりとご飯を食べているのに10%も体重が減ることは、通常ではあり得ません。
猫の体重が急激に減ったときは以下の病気が疑われます。
- がん
- 糖尿病
- 慢性腎臓病
- 甲状腺機能亢進症
これらはあくまでも一例です。猫の体重が急激に減る病気は、命にかかわるものも多く、早期発見・早期治療が重要になります。
そのため食欲のある猫の体重が減った段階で、なんらかの病気や栄養不足の可能性を疑うことが必要です。
また、猫の体重は20%減少すると自力では戻すことが難しいと言われています。早めに対処するようにしましょう。
2.お腹がぽっこり膨らむ
たくさん食べたあとや肥満でもお腹が膨らみますが、急にぽっこりと膨らんできたときには注意が必要です。以下の病気や状態のサインかもしれません。
- 多量の腹水(猫伝染性腹膜炎細菌感染心臓病など)
- 尿道閉塞
- がん
- 子宮蓄膿症
- 妊娠
この中でも尿道閉塞は、とくに緊急性が高い状態です。尿道閉塞になると、膀胱に溜まったおしっこでお腹がパンパンに膨らみ、痛みを訴える場合も。
同時におしっこがまったく出ない、またはポタポタとしか出なくなります。
尿道閉塞は放置すると腎不全・尿毒症・膀胱破裂などを引き起こし、命にもかかわる大変危険な状況です。おしっこが出ていないことを確認したら、早急に動物病院を受診してください。
3.急に活動的になる
猫が急にご飯を食べるようになった、よく鳴くようになったなど活動的な様子が見られると「元気になった」とうれしくなりますよね。
しかし老猫が急に活発になったときは、注意が必要です。「甲状腺機能亢進症」を疑う必要があります。
甲状腺機能亢進症では、以下のような行動や症状が見られるようになります。
- 食欲旺盛なのに痩せる
- 鳴き声が大きくなる
- 夜鳴きが酷くなる
- 嘔吐や下痢
- 起きている時間が増える
- 同居の人や動物に対して攻撃的になる
活発になる病気には、甲状腺機能低下症のほかにも「認知機能の低下(認知症)」などもあります。どちらにしても、急に元気になったなと感じたら獣医師に相談することをおすすめします。
4.顔が変形する
猫の顔の形に違和感を覚えた場合は、注意深く観察してください。虫刺されなどの軽傷の場合もありますが、目・鼻・口などの炎症が原因のこともあります。
また、老猫の顔が左右でいびつな気がする、腫れているような気がすると感じた場合は「がん」の可能性を疑います。
顔を変形させるがんとしては以下が考えられるでしょう。
- 肥満細胞種
- リンパ腫
- 扁平上皮がん
- 鼻腔内腺がん
- 繊維肉腫
小さくても違和感を覚えたら早めに動物病院を受診し、適切な治療につなげるようにしましょう。
まとめ
猫にとって大きな病気が潜んでいる可能性があるけれども、なかなか気づきにくい病気のサインを4つ紹介しました。
今回紹介したサインには命にかかわる病気や、生涯に渡って付き合っていかなければいけない病気も多く、早期発見・早期治療が重要なものが中心です。
これらのサインは、日ごろからどれだけ注意深く愛猫の様子を観察しているかが鍵になります。日ごろから愛猫のからだの状態をしっかりと観察し、小さな違和感にも気付けるようになりましょう。
また病気の早期発見のためにも、いつもと違う、なにかおかしいと感じたら「こんなことで?」と思わずに獣医師に相談することをおすすめします。
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