高校生の“本気”がせめぎあう『第12回マイナビキャリア甲子園』決勝大会――1万1,668人の頂点が見せた未来への突破口

2024-05-01 08:30

「答えなき問い」に挑んだ高校生たちの頂点が、今ここに決まる――。
今年で第12回目を迎えた『マイナビキャリア甲子園決勝大会』の「Breakthrough」部門を制したのは、ミツカンからの難題に答えた、チーム「ノーサイド(Rugby School Japan/早稲田高等学校)」でした。

2026年3月14日、大手町三井ホールで開催された『第12回 マイナビキャリア甲子園』Breakthrough部門の決勝大会。
大人顔負けの発想力とプレゼン力で会場を一気に引き込んだ、若き挑戦者たちの等身大の姿をお届けします。

なぜ彼らは選ばれたのか?「優勝」「視聴者賞」ダブル受賞を生んだノーサイドの力

「誘ってくれたリーダーに感謝したい」
そう話す横では、感極まり涙を流すメンバーも。3人はそれぞれの思いで喜びをかみしめていました。

Rugby School Japanと早稲田高等学校の生徒3名が手を取り合い挑戦したのは、食品メーカー・ミツカンからのテーマ「ミツカンのMissionである“やがて、いのちに変わるもの。”の視点から、若年層に共感される食体験を起点とした、未来のミツカンビジネスを創造せよ」。
ノーサイドが審査員の心を掴んだのは、“高校生ならではのリアルな視点”と“実用性”にありました。

プレゼン冒頭「食べるの大好き!」と突き抜けた明るさの自己紹介に、会場内の緊迫したムードは一転。和やかな笑いに包まれます。

彼らが目をつけたのは、自分たち高校生の「食」の悩みでした。育ち盛りで常にお腹は空くけれど、市販のジャンクフードでは栄養が偏ってしまう――。この罪悪感を伴う空腹の時間を、彼らは「魔のスキマ時間」と定義。そこで出した提案が、企業の理念とブランド力を生かした新感覚の納豆スナック「サクまめ」でした。

プレゼンでは、従来品の納豆系スナックを「チマチマした」と繰り返し表現し、食べづらさを指摘。自ら試作した「サクまめ」をその場で試食するパフォーマンスでは、「サクッ」という音が会場に響き渡りました。これには審査員だけでなく、配信を見守る視聴者の心をも射抜きました。この会場の誰もが印象に残る決定的なシーンが呼び水となり、見事「優勝」と「視聴者賞」のダブル受賞という快挙を成し遂げたのです。

表彰式では、メンバーが企業側に感謝の気持ちを述べるとともに「企業様からの辛辣な意見に面食らうこともありました」と、企画中のエピソードを正直に語る場面も。

高校生と大人たちが年齢の壁を超えて対等に向き合う姿勢は、まさに今回の大会テーマ「Borderless Age」を体現するものでした。

惜しくも準優勝ながら際立った「圧倒的な完成度」日本生命代表チーム

「ノーサイド」の爆発力に対し、緻密な論理構成と共感を誘うプレゼン力で会場を圧巻。準優勝を勝ち取ったのは、日本生命代表のチーム「すこやか班(浜松市立高等学校・静岡県立浜松東高等学校・佐久長聖高等学校)」でした。

彼女たちが挑んだのは、「日本生命のアセットを活用し、デジタルネイティブ世代が“自分の人生を自分らしく切り拓く”ための新サービスを提案せよ」というテーマ。

そこで彼女たちが目を向けたのは、現代社会が抱える深刻な問題、「児童虐待」でした。周囲からの協力不足に悩む母親たちの孤独を救い、痛ましい事件に歯止めをかけるための「次世代型AI母子手帳アプリ」を提案したのです。

ビジネスモデルとしての堅実さはもちろん、審査員からの「無料提供でどう利益を生むのか」という鋭い質問に対しても、淀みなく回答。中長期的な視点から、未来の顧客との信頼構築を最優先する戦略的な試算を披露する姿は、まさに「大人顔負け」でした。

「自分たちの提案が、誰かの人生を本気で変えるかもしれない」
そんな強い責任感と自信が、彼女たちの立ち振る舞いから溢れ出ていました。

優勝には一歩届かなかったものの、社会課題に真っ向から向き合った隙のないプレゼンテーションは、間違いなく今大会のハイライトの一つ。表彰式で見せた清々しい表情は、全てを出し切った者だけが持つ、もう一つの「頂点」の姿でした。

会場と一体化したエンターテインメント型プレゼンも

順位は決定したものの、今回の大会では、決勝の舞台に立った全チームが甲乙つけがたい熱狂を会場に届けてくれました。

たとえば、意外性のある演出で会場を沸かせたQoo10代表チーム「borderlesz(渋谷教育学園渋谷高等学校)」。彼女たちが披露したのは、なんと「寸劇」から始まるプレゼンテーションでした。
ECサイトでの“がっかりショッピング”に着目したAIお買い物ミラー「mir.AI(ミライ)」の提案は、ビジネスコンテストの枠を軽々と飛び越える瑞々しさがありました。

緻密な論理で攻めるチームもあれば、圧倒的な演出力でワクワクさせるチームも。こうした各チームの多様なアプローチこそが、キャリア甲子園の醍醐味です。

会場からは「ビジネスマン級の説得力」「高校生とは思えない」といった驚きの声が絶えませんでした。しかし、何より観客の胸を打ったのは、結果発表の瞬間に見せた彼らの表情です。Qoo10代表の彼女たちが見せた涙をはじめ、全力を出し切ったからこそ溢れ出た悲喜こもごものドラマは、彼らがこの数ヶ月どれほど本気でこの瞬間に懸けてきたかを物語っていました。

世代の壁を越えた熱き闘い『第12回マイナビキャリア甲子園決勝大会』

過去最高となる、全国11,668名の高校生が挑戦し、3,151チームがしのぎを削ってきた「第12回 マイナビキャリア甲子園」。

決勝へのチケットを手に「Breakthrough 部門」へと突き進んだ6組の闘いは、こうして幕を閉じました。

大人が驚くほどの洗練されたスキルと、高校生ならではの自由な発想。そして、本気だからこそあふれる喜びと悔し涙。そのすべてを併せ持つ彼らの姿は、もはや「学生」という枠に収まらない、これからの未来を創っていく一人の大人そのものでした。

大会テーマ“Borderless Age”そのままに、年齢や経験の境界線を超え、社会に一石を投じた彼らの挑戦。その熱量は、会場にいたすべての大人の胸に確かな希望として刻まれたはずです。

<取材・撮影・文/櫻井れき>

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