17歳で脳腫瘍になった少女 不安を消し、回復を助けたのは「病院猫」だった 英国

2024-05-06 06:00

17歳の少女が脳腫瘍と診断され、手術を行いました。その病院にやってくる猫には特別の力があり、不安な気持ちを前向きな心に変えてくれます。少女も猫に出会うことで、周囲の予想より早い回復を遂げました。

突然の脳腫瘍で、緊急手術

医者と看護婦に診察される若い女性

画像はイメージです

脳の大手術を終え回復を待つ17歳の若い女性にとって、病院にやってくる猫が力強い味方になりました。

Amber O'Gormanさんは2024年3月に脳腫瘍と診断され、英国ケンブリッジにあるAddenbrooke's病院で治療を受けました。

「ここの看護婦さんからHenryのことを聞きました。病院をうろついている茶トラの猫です。ぜひ会ってみたいと思いました」というAmberさん。

猫のHenryは9歳くらい。ここ数年ずっと病院を訪ねてやってくるのだそうです。

「ぜひ抱っこしたいわ。だって、その猫には、入院患者の心細い気持ちを吸い取って、明るく前向きな心にしてくれる不思議な力があるというのですから」

Amberさんがひどい頭痛に悩まされるようになったのは、昨年の12月でした。

「かかりつけ医は頭痛薬を処方してくれましたが、念のため目の検査をしてもらったほうがいいと思い、眼科医に診せたのです」と父親のLeeさんはいいます。

「そこで娘の目の奥が腫れていることがわかりました。すぐに近くにあるHinchingbrooke病院へ行くようにいわれました」

いくつかの検査の結果、脳腫瘍であることがわかりました。そして緊急手術のためにAddenbrooke's病院へ転院したのです。

探していた病院猫との出会い

聴診器をつけた茶白猫

画像はイメージです

「ショックでした。17歳の若さで、まさか脳腫瘍なんて。担当医に泣きながら『まだ死にたくない』と訴え続けました」とAmberさん。

さっそく体液を排出するシャントを挿入され、3月18日に手術が行われました。

「手術では腫瘍の9割を取り除くことができました。手術後は言語が不明瞭になって、体の動きも自由にならない恐れがあるとのことでした。でも実際には、奇跡的なほど早く回復しています。医者も驚いていますよ」とLeeさん。

もう1日中ベッドに寝ている必要もなくなったので、Ambeさんは「病院猫のHenry」を探し始めました。

この猫にはちゃんと飼い主がいて、帰る家もありますが、ここ数年、病院の廊下と食堂をうろついているとか。かわいらしい写真を満載したFacebookページも設けられていて、なんと6500人も登録者がいるというから、驚きです。

医者の勧めを幸いに、Amberさんも院内をあちこち探し始めました。

「しばらくたって、やっと見つけました。すごくやさしい猫です。目の前で横たわり、抱っこさせてくれました。本当に、不安な気持ちを消し、前向きな気分に変えてくれるすばらしい猫ですね」

そしてAmberさんは3月22日、晴れて退院することができました。手術からまだ数日しかたっていない、とても早い回復でした。

心の奥に入り込める特別な猫

猫とくつろく少女

画像はイメージです

自宅に戻り、飼い猫のOscarとも再会できたAmberさんは、「やっぱりうちが一番です」と語ります。病気になる前は学校で幼児教育の勉強をしていたそうで、9月にはまた復学したいと望んでいます。

病院の広報担当者は、BBCの取材に次のように話しています。

「Henryは特別な猫で、患者さんや職員の心に奥深く入り込むことができる大切な存在なのです。でも病院としては感染症対策のため、動物セラピーにあたるペット以外の動物は院内に立ち入らせることはできません。ですから、Henryを餌やおやつで病院ロビーに呼び寄せるのは絶対におやめください。この猫の健康にも悪いですしね」

出典:Cambridge hospital cat Henry comforts girl with brain tumour

関連記事

狂暴な野良子猫を保護…『26日間の成長記録』に感動が止まらないと354万再生の大反響「自分で未来を切り開く子」「先住猫の優しさ」
猫が口を半開きにする4つの理由
猫から『好かれる人』のタイプ5つ
猫が撫でてほしい時にする6つの仕草
猫は『好きな人』と『嫌いな人』を区別している

  1. 【速報】KDDIの5Gプランの一部で通信障害 全国で発生 110番や119番などの緊急通報にも影響
  2. インフル猛威 都内のクリニックには多くの外国人観光客 インフルエンザ疑いで診察 カナダ人男性「数日間咳が出て鼻づまり」
  3. 五輪汚職・角川歴彦被告が人質司法被害訴えた裁判始まる「人質司法は人間の尊厳を犯し、基本的人権を侵害するもの」第一回口頭弁論
  4. 『飼い主が目の前で倒れたら、犬はどうするのか?』検証してみたら…思っていたのと違う『予想外の光景』が1万3000再生「見捨てられてて草」
  5. 立憲・野田代表 全野党参加の予備選挙「1つのアイデア」と前向き
  6. 東京都水道局も注意呼びかけ 水道管の凍結どう防ぐ?凍ったら熱湯はNG?目安は「マイナス4度」でも油断禁物なワケ
  7. 中居正広さんCM起用の各社の対応 ソフトバンク「今後予定しているCMは非公表です」 タイミー「回答を差し控えさせていただきます」
  8. 「東京オートサロン」開幕 中国・韓国勢が“新型EV”で攻勢 ホンダ・日産の統合協議に揺れる日本勢は往年の「名車」を公開
  9. 【速報】現場の教室では授業中 法政大学多摩キャンパスで20代女子大学生がハンマー振り回したか 8人ケガ、全員軽傷
  10. 東京オートサロン開幕 日産・ホンダは往年の名車復活 トヨタはニュル24時間耐久の参戦車両を公開
  1. 【速報】「学生がハンマーを振り回した」法政大学多摩キャンパス 20代の女子大学生を確保し事情聴く 8人がけが、全員意識あり 東京・町田市 警視庁
  2. 「インフルにかかる人・かからない人の違いは?」「医師はどう予防?」インフルエンザの疑問を専門家に聞く【ひるおび】
  3. 『帰省した兄』がこっそり部屋で待っていると、気づいた犬が…予想を上回る『最高すぎる反応』が29万再生「凄い喜び方」「感動の再会」と称賛
  4. 「テレビが映らない」など約2割が不要不急の通報 「落ち着いて適切な110番通報を」俳優・福原遥さんが110番の適切利用呼びかけ 埼玉県警
  5. 明治安田生命 初任給3万円引き上げ 来年度から
  6. 【速報】現場の教室では授業中 法政大学多摩キャンパスで20代女子大学生がハンマー振り回したか 8人ケガ、全員軽傷
  7. 女性を風俗店に…まるで“人身取引” 売り上げ70億円か 風俗スカウトグループ「アクセス」リーダー逮捕 背景に“悪質ホスト”問題【news23】
  8. 中国の地方政府元高官が受け取った賄賂177億円にのぼるか 裁判で明らかに 汚職取り締まり強化
  9. 中国・蘇州 親子が切りつけられた日本人学校の送迎バス襲撃 次回の公判で50代の男に「判決言い渡し」の見通し 日本の総領事らが傍聴
  10. バスケ女子日本代表新監督を発表 ! コーリー・ゲインズ氏「前途は多難ですが…」パリ五輪は男子代表コーチ
  11. 149年前は東京でマイナス9度!!2025年の成人の日、天気はどうなる?【お天気タイムマシン】
  12. 【速報】トラックなど5台が玉突き事故 名古屋高速下り 楠ジャンクション付近 4人が軽いけが
×