児童・生徒の英語力を調べる、文部科学省の「英語教育実施状況調査」の結果が発表されました。目安とされる英語力に達している中学3年生と高校3年生の割合が初めて50%を超えました。
この調査は毎年、文部科学省が行っているもので、全国の公立小中高校を対象に、児童・生徒の英語力や、授業の中でどのくらい英語が使われているかなどを調べるものです。
政府は英語力について、中学生は、卒業段階で「英検3級相当以上」、高校生は、卒業段階で「英検準2級相当以上」の能力を持つ生徒の割合を、2022年度中までに50%以上とすることを目標としていましたが、達成できていませんでした。
今回の調査では、政府が目標とする水準の英語力を持つ生徒の割合は、中学3年生が50.0%、高校3年生が50.6%と、いずれも初めて50%を上回りました。
政府は2027年度中までに目標とする水準の英語力を持つ生徒の割合を、中学生、高校生ともに60%以上とすることを目標としています。
また、調査結果について都道府県・指定都市別にみると、中学生で「英検3級相当以上」の英語力を持つ生徒の割合は、1位がさいたま市で88.4%、最下位が佐賀県で30.1%となりました。
また、高校生で「英検準2級相当以上」の英語力を持つ割合は、1位が富山県で61.4%、最下位が宮城県で39.6%となっています。
文部科学省は、生徒の英語力向上のために、「授業の中で実際に英語を使って会話する機会を増やすことや、英語教師の英語力の向上やICTの積極的な活用が必要だ」としています。
また、文科省はAIを活用することで英語を使った授業の充実につなげようと、今年度から83の小・中・高・特別支援学校で実証研究をはじめていて、授業でのAI活用のメリット・デメリットを明らかにしていきたいとしています。