“政権交代望む”48%…窮地の自民立て直すには?「ポスト岸田」1位・石破茂氏が語る【国会トークフロントライン】

TBS NEWS DIG Powered by JNN
2024-05-10 22:53
“政権交代望む”48%…窮地の自民立て直すには?「ポスト岸田」1位・石破茂氏が語る【国会トークフロントライン】

環境大臣の水俣病被害者との懇談の「マイク切り」では、自らも「すみません。ごめんなさい」と謝罪し、「責任は大臣が負うべきもの」ときっぱり。「政権交代」は「自民党的なものに対して忌避みたいなものがあった」と2009年を振り返り、野党の野田佳彦元総理らについて「人材はいるんだろうから、スポットがあたり始めると本当に怖い」と警鐘をならします。そして、迫る「総裁選」では「政策の争いであってボスのお山の権力争いでないと国民に理解していただくことが党の活性化になる」。「ポスト岸田」1位の石破氏の熱い語りを是非ご覧ください。(聞き手:TBSテレビ政治担当解説委員 石塚博久)

【写真を見る】“政権交代望む”48%…窮地の自民立て直すには?「ポスト岸田」1位・石破茂氏が語る【国会トークフロントライン】

水俣病患者との懇談でマイク音切り「やってはいけない」「責任は大臣に」

ーー水俣病の懇談会で環境省職員がマイクの音声を切り、被害者側2人の発言を遮りました。1団体3分の持ち時間を超えたから、ということですが。

石破茂元幹事長:
本当にすみません、ごめんなさい。それはやってはいけないことです。官僚がやったからとかなんとかって言うけど、やめろとかそんな話じゃなくて、責任はなんだかんだ言ったって大臣が負うべきものですよ。それをどうするかは任命権者の判断であり、大臣本人のご判断なんだけど、とにかく「こういうことをやってはいけませんでした」ってことを本当にお詫びするところから始めるということで。あとの判断は任命権者ご本人がなさることで、私がとやかく言うことではございません。

自民・補選全敗 「政治改革大綱」35年前を覚えていれば・・・ 

ーー政権運営に直結する衆議院の3補欠選挙で自民党は全敗。島根では岸田総理も乗り込んでの総力戦でした。石破さんも4回も入って戦った。この応援演説でリクルート事件を取り上げたというのはどういう考えでですか。

石破茂元幹事長:
リクルート事件というのは、我々当選1回のときで35年も前ですよ。そのときのことを覚えてる人はほとんどいない。あのときの「政治改革大綱」は竹下総理最後のお仕事だったと思うけどね。あのとおりやっていればこんなことになってないよねというのがありました。私も大臣とか、党役とかやったけど、私自身忘れてたよねっていう反省がありましたね。

自民支持者の「忌避感」から起きた2009年政権交代

ーー2009年、麻生内閣の総選挙は「民主党が勝った」というより「自民党が負けた」と言われます。就任当初の解散を狙った麻生内閣でしたが、リーマンショックへの対応を理由に先送り、相次ぐ失言、漢字の誤読などで支持率急落。自民党が181議席も減らして119議席に。民主党は115議席から308議席で単独過半数。このときの選挙を振り返ってどうでしたか。

石破茂元幹事長:
私はあのとき農林水産大臣で閣内にいましたけどね、リーマンショック直後の政権だったわけですよ、麻生内閣というのは。確か3回補正予算を組んだんじゃないか。1年間の内閣だったけれど、ずっと予算委員会をやってたような覚えがありますね。もう経済対策を、やるべきものすべてやったんです。政策が間違っていたとは私は思わない。あの時、あれしかなかったと思います。政策が間違っていたというよりも、自民党的なるものに対して、政策の良し悪しじゃなくて自民党的なるものに対して忌避感みたいなものがありました、ということじゃなかったかという感じがしましたね。だから、政策と同時に政権のイメージ。大臣がしょっちゅう変わります、あるいは失言があります、例えば「後期高齢者」なんぞというなんだか血も涙もないような言い方をしましたよね。そういう「感覚的に嫌だな」というのがあったのと。支持政党はどこですかって聞かれたら「自民党」と答える人が自民党に入れない。「俺が好きだった自民党はこうじゃないんだ」と、「自民党目覚めてくれ」っていうね、自民党支持者の人が自民党を好きであるが故に変わってほしいという願いを込めて入れると、こういうことが起こる。

ーー直近のJNN世論調査では、次の衆院選で「政権交代を望む」が6ポイント増えて48%、「自公政権継続」との差が広がっています。

石破茂元幹事長:
「政権継続を望む」と、「政権交代を望む」という方の支持政党を見てみないとわからない。先ほどから申し上げているように自民党支持だけど、交代を望むという人がいるとすれば、もともと自民党支持じゃない人は交代を望むに決まってるので。自民党支持だった人が交代望むってなったからには、そういう人たちが「いいや」と「自民党って分かってくれたよね」。「本来、俺たちが望んでいた自民党になってくれたよね」となると、またそれは変わるわけ。

ーー「政権継続を望む」に戻ると、そこを目指さなきゃいけないんですね。

縮まる立憲との支持率差 存在感示す野田元総理ら「怖い」

ーー支持政党に関しては「自民党23.4%」、「立憲10.2%」。13ポイントぐらいに差が縮まってきているわけです。最近、立憲の野田佳彦元総理が存在感を見せてくるなど、怖いですよね。

石破茂元幹事長:
怖い、怖い。立憲であの頃はね、鳩山さんがいて、前原さんがいて、枝野さんがいて、玄葉さんがいて、馬淵さんがいて、原口さんがいてみたいな。なんとなくキラキラしていましたよね。今もそういう人材はいるんだろうが、そこへもっとスポットがあたり始めて泉さんのみならずこんな人もいますよ、あんな人もいますよ、みたいなことになってくると本当に怖い。

ーー今、総理周辺から内閣改造・党役員人事で人気者を取り込みドリームチームをつくって局面を打開しようという話が出てきています。可能だと思いますか。

石破茂元幹事長:
人事権者は総理だから、可能も可能じゃないも(ない)。ただ、まだ国会やってるわけで、法案もかかってるわけで、その法案がかかっている最中に閣僚を変えるって普通はない。きちんとした区切りがついて、なおかつ人事を変えるとするならば、なんのためにということが有権者にきちんとわかると、なぜこういうふうに人事をやったのですかということが、誰が閣僚になるにせよですよ、そうじゃないとそれは一国の運営としては上手くないから、総理はその辺をきちんと考えておありになるのではないですか。