客による暴言に脅迫…「“カスハラ”にあったことがある」46.8% 専門家に聞く対策は【ひるおび】

TBS NEWS DIG Powered by JNN
2024-05-13 16:07
客による暴言に脅迫…「“カスハラ”にあったことがある」46.8% 専門家に聞く対策は【ひるおび】

客が理不尽な要求をする「カスハラ」。企業や自治体が新たな対策を始めています。

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客の迷惑行為“カスハラ”

“カスハラ”とは、「カスタマーハラスメント」のことです。
顧客などからの暴行や暴言、不当な要求などの著しい迷惑行為のことです。

UAゼンセンが3万3133人に行なったインターネット調査(2024年1~3月)によると

Q.直近2年以内に迷惑行為被害にあったことがありますか?
「あった」・・・46.8%
「なかった」・・・53.2%

Q.最も印象に残っている顧客からの迷惑行為は?
「暴言」・・・39.8%
「威嚇・脅迫」・・・14.7%
「何回も同じ内容を繰り返すクレーム」・・・13.8%
「長時間拘束」・・・11.1%
「説教」・・・10.2%
その他にも「セクハラ行為」「暴力行為」「土下座の強要」「金品の要求」などもあったということです。

厚生労働省では労働施策総合推進法を改正し、「カスハラ防止策」を追加する改正を検討しています。また企業にも同様の義務を課すなどして、従業員の保護を図るということです。

日本ハラスメント協会代表理事 村嵜要氏:
企業に義務化されることにより企業内での研修の実施や相談窓口の設置が促進されて、どんどん増えていくと思います。従業員が悩んだときに相談できる助け舟があることは心理的にもすごく大きいと思いますね。

JR東日本の方針「対応しない」

JR東日本ではカスハラに対し、「対応しない」方針を発表しました。
該当する行為としては、▼身体的・精神的な攻撃▼SNS、インターネットなどへの投稿▼正当な理由のない金銭・謝罪の要求などが挙げられています。

JR東日本は『働く社員を守るため、カスタマーハラスメントが行われた場合には、お客様への対応をいたしません。悪質と判断される行為を認めた場合は、警察・弁護士などに相談の上、厳正に対処します』としています。

駅員に対する‟カスハラ”は多く、国交省がまとめた調査によると、2023年度に1124件ありました。

〈具体例〉
◆切符の変更払い戻しを希望した30代の客が、対応していた駅員が変更内容を復唱したことに対し、「対応が遅い」「子どもがぐずった」「莫大なフォロワーがいる私のSNSに載せる」などと言って怒った

◆線路側に身を乗り出し撮影をしていた高校生に対し駅員が注意すると「ふざけんじゃねえ」と逆上し、つかみかかってきて罵声を浴びせた

◆自動改札機のエラー音が鳴っていたにもかかわらず突破しようとした20代の客に対して声をかけると、「土下座しろ」などと威圧的な言動を繰り返した

◆午前1時頃、終電で乗り過ごしてしまった20代の客が「タクシー代金を調べろ」「まだか、遅い」「使えん奴やのー」などと理不尽な要求や侮辱を行った

山之内すずさんも“カスハラ”経験

コメンテーターの山之内すずさんも、カスハラを受けたことがあるそうです。

山之内すず:
高校生のときにハンバーガー屋さんでバイトしてたんですけど、100円だけポンって出して注文を何も言ってくれないんですよ。こっちも「お伺いします」と言っているのに本当に何も言ってくれない。
‟この人の注文はアイスコーヒーにミルク何個に砂糖を何個”、まで覚えないとキレるお客さんが、1人だけじゃなくそのとき何人もいたんですね。
できなかったら「これだから新人は」みたいにすごく強い口調で言われ続けるというのがあって、最初業務を覚えるというよりもお客さんの注文、本来覚えなくてもいいものをインプットしなきゃいけないという作業がすごく大変で、しんどかったですね。
怖かったです、本当に。

“カスハラ”から職員を守る 自治体の取り組み

カスハラに対して自治体も対策を行っています。

東京都東大和市では、顔写真を廃止して名字のみの名刺を作成。
品川区や京都市、船橋市では名字のみの名札を導入しています。
職員のプライバシーを守り、カスハラ被害を未然に防ぐためです。

京都市の職員は、
「市民への責任ある対応として名札の着用は必要だが、所属と名字さえわかれば職員は識別できる」と話しています。

“カスハラ”にあってしまったら

ではカスハラにあったらどうすればいいのでしょうか。
村嵜氏は
「第三者を入れるなどして相手を落ち着かせることが大切。前提としてどんなことがハラスメントなのかを理解しておくことが必要」
としています。

日本ハラスメント協会代表理事 村嵜要氏:
カスハラする人は頭に血が上っている状態で興奮状態にあることが多いので、少しでも時間を経過させる。
例えば他のお客様がいらっしゃらない別のスペースなどに誘導することによって秒数経過させ、カスハラする人をトーンダウンさせる。落ち着いて話ができる可能性があるので、少し工夫するのがいいかと思います。

恵俊彰:
時間をかければかけるほど逆に興奮なさるんじゃないかって心配になったりしますけども、時間をかけた方がいいんですね。

日本ハラスメント協会代表理事 村嵜要氏:
5秒でも10秒でも時間が経過することによって、人は少し冷静になってくる部分があるんです。また、周囲に大勢の人がいたらカスハラする方も「あとに引けない」と強がってしまうところがあるので、できれば少人数の状況で冷静に話ができる状況に持っていくのがいいです。

コメンテーター 渡辺満里奈:
何か「お客様は神様です」みたいな気持ちが強すぎるんじゃないかなと思うんですよね。
やっぱり企業側も毅然とした態度をとってほしいし、客側も気をつけたい、気をつけてほしいなと思いますね。

(ひるおび 2024年5月13日放送より)

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<プロフィール>
村嵜 要氏
日本ハラスメント協会代表理事 ハラスメント専門家年間80社に実施
加害者の再生サポート “予備軍”を指導し防止に努める

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