値上げが止まりません。回転寿司では、サーモンがマグロより高い異常事態に…さらに、海苔も来月から値上げ、今後はコメについても値上げの可能性があるという事です。
【写真を見る】サーモンがマグロ超え価格“中トロ級”…海苔も来月から一斉値上げ、なぜ?コメ価格が去年の2倍【Nスタ解説】
コメ価格が去年の約2倍 背景に“去年の猛暑”か
日比麻音子キャスター:
今日も値上げに関するニュースです。
神奈川県大和市の「独楽寿司」では、7月から海苔の価格が上がるということで、このまま使い続けるか迷っているそうです。
さらに、ノルウェー産のサーモンに関しても、2023年に50円値上げしたそうですが、現在も採算がとれない中で営業しているといいます。
ハロルド・ジョージ・メイさん:
(こういうニュースは)つらいですよね。サーモンは、子どもからお年寄りまでみんな好きじゃないですか。
今までは「マグロが高いからアボカドにしようかな」と思っていたのですが、アボカドも高くなってますよね。結局はサーモンに頼っていました。その上、海苔も高くなるとは、困りました。
南波雅俊キャスター:
知り合いの寿司店の大将も「海苔だけではなく、全体的に上がっている。蟹なども含めて仕入れるのが本当に大変だ」と言っていました。
皆さん努力されていると思いますが、なかなか大変な状況が続いてますよね。
日比キャスター:
今後は、コメについても値上げの可能性があり、実は取引価格が高騰しているということなんです。
小池精米店の小池理雄さんによると、一般家庭の食卓におけるお米については、国の備蓄米やスーパーマーケットの年間契約などで、すぐに影響はないといいます。
ただ、精米店・スーパー・飲食店など、卸業者から直接契約をしているという場合ですが…
2023年秋ごろ、ひとめぼれの60キロ(=1俵)が約1万5000円で取引されていたものが、現在は約2万9000円と、約2倍になっているそうです。
影響が出そうなのは外食産業で、さらなる値上げの可能性があるということなんです。
背景には、やはり気候があるそうです。
2023年の夏の猛暑により、収穫不足になって供給量が減っていました。一方、外食産業は、コロナ禍が明けて需要が高まっていました。
需要と供給のバランスがとれず、コメが不足して価格が高騰しているということなんです。
「8月には新米が出てくるので落ち着く可能性」
日比キャスター:
この状況がいつまで続くのでしょうか。
小池精米店 小池理雄さん
「8月には新米が出てくるので落ち着く可能性がある」
ただ、気象庁の「3か月予報」によると、6月~8月の気温は全国的に高い見込みです。今年も猛暑になれば、長引くおそれもあります。
ハロルド・ジョージ・メイさん:
お米の話を聞くと少し安心できますが、先ほどのサーモンは、輸入にも頼ってるので、これだけ円安だと“輸入”という意味では高くなります。なので、なかなか6月や8月で、めどが立つという話じゃないので困ります。
日比キャスター:
気温が高いというニュース、値上がりに関するニュース、世界情勢など、様々な出来事が全て繋がってきてしまっていると感じます。
ハロルド・ジョージ・メイさん:
特にお米は、去年の天気の影響が今年になって効いてくる。それも、すぐに効いてくるものとそうではないもの。後から出てくるパンチみたいな感じで痛手ですね。
サイフに優しい食材は“価格変動が少ないもの”
日比キャスター:
このような中で、サイフに優しい食材についてです。
スーパーアキダイの秋葉弘道社長によると、もやしや豆苗などのスプラウト、えのきやシイタケなどのキノコ類がおすすめだそうで、工場生産のため価格変動が少ないということです。
ハロルド・ジョージ・メイさん:
そういうものを組み合わせてやるしかないですね。食卓でも、フレキシブルにいろいろ変えないといけないかもしれません。
南波キャスター:
自宅で食べることを考えたら、えのきはお肉のかさ増しになるので、結構いいですよね。もやしも結構好きで、野菜炒めにもいいですよね。
日比キャスター:
様々な工夫を凝らして、何とか乗り切りたいところです。
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<プロフィール>
ハロルド・ジョージ・メイ さん
プロ経営者
1963年オランダ生まれ
現パナソニック・アース製薬の社外取締役など
日本在住30年以上