史上最速7場所で優勝した大の里 「相撲IQが高い」高校の監督が語る強さの秘密【Nスタ解説】

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2024-05-27 22:33

相撲界に新たなスターが誕生です。23歳の小結・大の里が初土俵から史上最速での優勝を果たしました。

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大の里 史上最速7場所で優勝「さらに上へ上へ」

井上貴博キャスター:
若い力士の台頭が著しい相撲界。2000年代生まれの力士として史上初めての優勝となりました。

【大の里(23)】
出身:石川・津幡町
身長:192cm
体重:181kg
好きな食べ物:魚(何でも)
趣味:部屋の周りを散歩

横綱、大関が軒並み休場している中、どんどん若い力士が出てきています。

先場所、惜しくも優勝を逃した大の里関が、今場所で初土俵から7場所目で史上最速の優勝となりました。これまでは元横綱・輪島さんの15場所目が最速優勝記録でしたが、それを大きく上回りました。他にも、▼新小結での優勝は67年ぶり2人目▼石川県出身力士の優勝は、25年ぶり3人目ということになりました。

ホラン千秋キャスター:
特に被災地の皆さんは“石川県に良いニュースをありがとう”という方はたくさんいらっしゃいましたね。

産婦人科医 宋美玄さん:
子どもたちもすごく喜んでいて、それだけで温かくなります。まだ23歳で、ここからどこまで行ってしまうのでしょうか。

井上キャスター:
スピード出世をすると力士の多くが怪我をしてきたという歴史があるので、その兼ね合いは大変これから難しい戦いになるんだろうなと感じます。

一夜明け、大の里関は会見を行いました。

大の里
「優勝のことを考えずに一日一番集中して相撲を取ることができた。もちろん優勝は嬉しいですけど、最終的な目標はここじゃないと思っているので更に上へ上へと駆け上がりたい」

ホランキャスター:
最終的な目標は、やはり皆さんが期待する横綱なのかなと。

産婦人科医 宋美玄さん:
横綱じゃ済まない気がします。“相撲界の大谷翔平”みたいな感じが。今、どのスポーツもどんどん科学的になっていて、単に力だけではなく、トレーニングの仕方なども工夫して、なるべく怪我が少ないような取り組みの仕方もありそうですね。

井上キャスター:
今場所は2日目に怪我をしてしまい、休場もあり得るのではと言われている中で“いや、休場なんて一切考えていない。絶対出るんだ”という気持ちがとにかく強い力士の1人でもあります。

大の里の強さ「相撲IQが高い」高校の監督が語る

中学校2年生から指導を続けてきた、新潟・海洋高校相撲部の村山大洋監督にお話を伺いました。

新潟・海洋高校相撲部 村山大洋監督
「身長はあるが、全てにおいて足りていなかった」

超努力家タイプだそうで、当初は運動能力は発展途上で、あまり光るものは当時は無かったというふうにおっしゃっていました。

体重がとにかく足りなかったということから、筋力系・瞬発系のトレーニングや食事量を増やすことに注力したということです。

【中学2年時】
身長:180cm
体重:120kg

【高校3年時】
身長:192cm
体重:150kg

体重をいかに増やすかということが大きな壁であったということです。

まだここから成長していくだろうと言われているわけですが、強さの秘訣としてクレバーなところも見えてきました。相撲IQが高い(相撲を考える力が秀でている)ということです。

新潟・海洋高校相撲部 村山大洋監督によると、
・自分を見直すことができるタイプ
・弱点に気づき、相談、改善できる(高い学習能力で、同じ失敗を繰り返さない)
・一度戦い方を決めると迷いなくやりきれる精神力

産婦人科医 宋美玄さん:
競技やスポーツ以外に関わらず、これが全部揃っていたらどんなジャンルでも成功できるのではないかと思います。しかし、若くしてこの精神力と、クレバーさってすごいですね。これまでの力士と違って、ニュータイプなのかなと思いました。

井上キャスター:
お父様が厳しかったみたいです。全然褒めない方らしいのですが、優勝のときは涙を流していたという。それだけ叩き込まれたものや精神力で培われたものもあっての優勝ということなのかもしれません。

ホランキャスター:
より大きな夢を描いてほしいなと思います。

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<プロフィール>

宋美玄さん
産婦人科医 2児の母 女性の健康などのテーマを発信

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