違法賭博での巨額の借金を、ドジャース・大谷選手の口座から不正送金した罪に問われている元通訳・水原一平被告が法廷で罪を認めました。アメリカ・ロサンゼルス近郊の裁判所前から中継です。
先月の審理では、メディアの質問に一切反応を示さなかった水原被告。今回もカメラの前では言葉を発することはなかったものの、カメラがないところでは記者の問いかけにうなずく場面もありました。
黒のジャケットに、丸首の白シャツ姿で出廷した水原被告。大谷選手の口座から日本円でおよそ26億円を不正送金した銀行詐欺罪など2つの罪に問われています。
審理では、水原被告が検察側と合意している司法取引の内容を裁判官が改めて確認したほか、被告の権利について説明しました。その後、起訴内容について問われた水原被告は、「ギャンブルで多額の借金を抱えてしまい、返済のために考えついた唯一の方法が彼の金を使うことだった」などと罪を認めました。
法廷を出た直後の通路で水原被告にカメラの前でコメントしてほしいと申し込みましたが、この時は「すみません」と短く答え、裁判所を後にしました。
今後は10月25日に量刑が言い渡される予定ですが、大谷選手がこれに関わる可能性もあると、刑事事件に詳しいカリフォルニア州の弁護士は指摘します。
マーシャル・鈴木総合法律グループ所属 鈴木淳司 弁護士
「今後、大谷選手が関わるとすれば、量刑の言い渡しの日に自分の意見書を出すことができる。裁判所に自分の気持ちを伝えるのではないかと思う」
量刑は最大で禁錮33年とされていますが、司法取引に応じていることから、減軽される見通しで、鈴木弁護士は「8年半から12年」との見方を示しています。
カメラの前では一切質問に応じなかった水原被告ですが、法廷に入る直前には、「謝罪の気持ちがあるならうなづいてほしい」という質問に対し、小さくうなづいてました。量刑が言い渡される日に、本人の口から謝罪の言葉があるのかどうかも注目されます。