“致死率3割”急増する劇症型溶連菌 「数時間前まで話していた患者が…」救急医が進行の速さ語る 今年の患者数977人で既に去年1年間を上回る

TBS NEWS DIG Powered by JNN
2024-06-11 18:28

高い致死率で知られる「劇症型溶連菌」について、年間の患者数が過去最多となった去年の数を半年足らずで上回りました。特徴のひとつが急速に悪化する進行の速さです。治療にあたる医師が、その症状を語りました。

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国立国際医療研究センター病院 救命救急センター 松田航 医師
「比較的若い方で、数時間前は話もできていたような方が命を落とすような状況になりうる」

都内の病院に勤務する松田医師。「劇症型溶連菌」の患者の治療にもあたる救急医です。

国立国際医療研究センター病院 救命救急センター 松田航 医師
「咽頭炎や喉の風邪であったり、皮膚の化膿から始まって悪くなる方は急激に悪くなる」

これは「劇症型溶連菌」患者の写真。手が赤く腫れ上がっています。

いわゆる「溶連菌感染症」は、咳やくしゃみをした際の飛沫や傷口への接触によって感染。一般的に咽頭炎など軽い症状を引き起こすものです。ただ、まれに劇症化して手足の壊死や多臓器不全を引き起こし、「劇症型溶連菌」の致死率は約3割ともいわれています。

国立感染症研究所によりますと、今年全国で報告された患者数は今月2日時点で977人にのぼり、過去最多だった去年1年間の数を5か月ほどで上回りました。

急増の背景には何があるのか。

厚生労働省の担当者
「新型コロナが5類に移行して以降、様々な感染症が増えるなか、『溶連菌』の感染者が例年より増えたことが影響した可能性がある」

きょう、武見厚労大臣は会見で、感染対策として手洗いや咳のエチケット・傷口の清潔な処置を呼びかけたほか、厚労省も「いつもと違う症状があれば病院を受診してほしい」としています。

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