ひと昔前まで画像加工は専門家が行うものというのが当たり前のことでしたが、Instagram、TikTokなどの登場で、今や誰しもが気軽に画像を加工する時代になりました。その一番の要因は、なんといってもスマホの普及。それまでは日常的に写真を撮るなんてことはなく、ガラケーの時代になってから写メを送ることはあっても画質がよくなかったので、たくさん撮影するなんてことはほとんどありませんでした。ところが高画質な写真が撮れるスマホが全盛の今、一日にいったい何枚の写真が世界中で撮影されているのでしょう。
そして、自分が撮影した写真をSNSにアップする時、多くの人が何かしらの加工をしているのではないでしょうか。それが色調補正や切り抜き、はたまたデフォルメなのかは人それぞれですが、その際に使用されるアプリもまた数多くリリースされています。でもそれ、本当に使いやすいですか?
例えば「料理の写真を美味しく見せる」とか「顔写真を美形にする」など、巷の画像加工アプリは加工目的別に特化したものが多くあります。そのため、複数のアプリを兼用せざるを得ないこともあったりして結構不便ですよね。そんなこともあって「ひとつのアプリで完結したい」と考えている人も多いでしょう。
そんな人にぴったりなのが「Adobe Express」。あのAdobe PhotoshopのメーカーがリリースしたAdobe Expressは、完全無料ながら多くの機能が満載。さらに特筆すべきは、デスクトップ版はブラウザ上で作業するため、インストールが不要! つまり、MacやPCなど自分がつかっているマシンのスペックに関係なく、ストレスを感じることなくスイスイと加工が進められるのです。もちろん、インストール型のスマホ版Adobe Expressでも同様の作業が行えます。今どきのスマホは高性能なので、デスクトップマシンを持っていない人はスマホで作業しても問題ないでしょう。それでは次から、Adobe Expressの機能について紹介していくことにしましょう。
こちらがデスクトップ版Adobe Expressのトップ画面です。機能は大きく分けて「SNS」、「動画」、「写真」、「ドキュメント」、「マーケティング」、そして「生成AI」に分けられることがわかります。
SNS
「SNS」はInstagramやFacebook、TikTokなど、あらゆるソーシャルネットワーキングサービスに対応しています。テンプレートもたくさん用意されているので、すぐに始められます。
SNSテンプレートを活用してInstagram投稿用の画像を作ってみました。実際にかかった時間は1分ほど。とても簡単です。
動画
「動画」はトリミングやサイズ変更、結合などに対応しています。Instagramリールやストーリーズ、TikTok動画なども楽々作れます。
ここでは「GIFに変換」のクイックアクションを活用して、4K動画をGIF動画に変換してみました。変換時間は使用する動画の容量にもよりますが、10秒ほどの4K動画は数分で読み込み・変換・書き出しの工程が終了しました。
写真
「写真」は切り抜きや背景の削除、JPGやPNGへの変換などができます。
ここでは写真の切り抜きを試してみました。左が切り抜く前、右が切り抜いた後。元写真をドラッグ&ドロップすると、一瞬で終了しました。複雑な形状なのに驚きです。
ドキュメント
「ドキュメント」ではPDFファイルを中心に、編集や結合、変換などができます。
試しにパワーポイントからPDF書き出しされたファイルをAdobe Expressで開いてみました。普通なら修正できないPDFファイルですが、ご覧のとおり文字を選択して書き換えることが可能になります。もちろん、埋め込まれた写真も置き換えられます。
マーケティング
「マーケティング」ではロゴの作成やポスター、チラシ、名刺などが制作できます。
ほかのカテゴリー同様、たくさんのテンプレートがあらかじめ用意されています。ここではテンプレート(左)を活用してリアルプレスのロゴ(右)を作ってみました。
生成AI
そして最後に紹介するのが「生成AI」です。ここまでは従来の画像加工の延長線上にある機能がほとんどでしたが、この生成AIに関してはまったく違います。いま話題のAIを活用することで、テキストから画像が生成できるのです。それでは早速お題となるテキストを入力してみましょう。
「鳥の翼で飛ぶ飛行機」と入力して生成された画像です。生成される時間はほぼ一瞬でした。
次に「傘をさすウサギ」と入力して生成してみました。テキスト内容通りの画像が見事にできあがっています。
最後は「まな板から逃げ出す鯉」です。今度は写真が生成されました。捌かれる前に逃げ出そうとする鯉の慌てた表情が見事ですね。
このように、さまざまな画像加工のオールインワンアプリとしても使える上に、存在しない絵面をテキストから一瞬で生成できる機能まで備えたAdobe Express。今回紹介しきれなかった機能もまだまだたくさんあるので、使い倒して自分だけの作品をたくさん作ってみてほしいです。