首都のリーダーは誰になるのか。東京都知事選が20日に告示され、過去最多の56人が立候補しました。問題は、ポスターの掲示板のスペース不足。それを解決するため一部の候補者に渡されたのがA3サイズのクリアファイルでした。
【写真を見る】“ポスターを貼る枠が足りない”過去最多56人立候補の東京都知事選で異例の事態 候補者自らがクリアファイルで増枠も【news23】
都知事選候補の“第一声”は
3選を目指す小池氏。
街頭ではなく都庁近くの新宿の選挙事務所での第一声です。
現職 小池百合子氏(71)
「今回は大改革3.0。3幕目でございます。キーワードは首都防衛。都民の皆様方の命を守る、暮らしを守る、そして経済を守るだけではありません。発展をさせていきます。課題は山ほどありますが、私は正面から向き合っていきたいと思います」
前参院議員の蓮舫氏は自らポスターを掲示。
第一声はJR中野駅前でした。
前参院議員 蓮舫氏(56)
「この東京は一見華やかに見えます。でも、ものすごい速度で格差が広がっている。一つは徹底して若い人たちを私は支えたい。もう一つは本物の行政改革をぜひ、私に担わせていただきたい」
市谷で第一声を上げたのは、この人です。
前広島・安芸高田市長 石丸伸二氏(41)
「石丸伸二は今41歳、政治家としてはまだ4年です。しかし今、世界に目を転じれば若い世界各国のリーダーが生まれています。みんなで今時代が動かせるチャンスが来ています」
10年ぶり2度目のチャレンジ。
築地で、この候補も自身の年齢に言及しました。
元航空幕僚長 田母神俊雄氏(75)
「バイデン大統領(81)・トランプ前大統領(78)より若い田母神です。私はですね、日本を本当に立て直したい。それを東京から始めたい。都民税の減税をしたいと思います。若い人に恩恵が受けられるような減税を私は考えていきたい」
このほか52人が届け出ていて、立候補者は過去最多の56人となりました。前回の22人を大きく上回っています。
東京都知事選挙 立候補者(届け出順)
野間口翔氏、沢繁実氏、大和行男氏、木宮光喜氏、小池百合子氏
内海聡氏、石丸伸二氏、小野寺紘毅氏、新藤伸夫氏、竹本秀之氏
桜井誠氏、ドクター・中松氏、安野貴博氏、清水国明氏、AIメイヤー氏
桑原真理子氏、後藤輝樹氏、河合悠祐氏、福本繁幸氏、黒川敦彦氏
桑島康文氏、田母神俊雄氏、蓮舫氏、内藤久遠氏、内野愛里氏
石丸幸人氏、尾関亜弓氏、小松賢氏、加賀田卓志氏、福永活也氏
犬伏宏明氏、武内隆氏、遠藤信一氏、上楽宗之氏、二宮大造氏
中江友哉氏、舟橋夢人氏、山田信一氏、加藤英明氏、草尾敦氏
津村大作氏、久保田学氏、前田太一氏、南俊輔氏、福原志瑠美氏
木村嘉孝氏、三輪陽一氏、松尾芳治氏、穂刈仁氏、小林弘氏
加藤健一郎氏、ひまそらあかね氏、向後真徳氏、牛窪信雄氏、古田真氏
相川絹二郎氏
一部候補者に“クリアファイル”
都庁の候補者受付では、こんな異例の事態も…
担当者が候補者に手渡していたのは「クリアファイル」。
実は、選挙ポスターを貼る掲示板に用意されているのは48人分。
49人目以降、8人分のポスターを貼るスペースが足りなくなってしまったのです。
そこで…
東京都選管の担当者
「(クリアファイルを)重ね合わせたり、必要に応じて補強をしてこの上にポスターを貼って、掲示板のところにこれを画びょうで固定したり、テープで貼り付けたり」
喜入友浩キャスター
「掲示板の外側にクリアファイルを取り付け、その上からポスターを貼るよう候補者各自にお願いしたということです」
取り付ける場所は掲示板によるといいますが、下に貼ったり、左右、もしくは、上に貼ったりしてもらうということです。
増設を求められた候補者は、20日夕方、掲示板の右側にクリアファイルを取り付けていました。
40代会社員
「なんでこんなに人(候補者)が多いんだろうかと。政治を良くしようというよりは、自分の名前を売ろうという人もいるから、そこをどうやって見極めるかっていうのがなかなか難しい」
20代学生
「いろいろな人が(選挙に)出ることによって政治界に多様性が生まれるのでいいのではないか」
56人立候補に戸惑いの声も 投票のポイントは?
投票先を選ぶポイントを街の人に聞いてみました。
40代会社員
「みんなの税金を無駄遣いしないっていうところが一番重要」
60代会社員
「自分の子供世代は、なかなか子どもをつくるのを躊躇してる感じがあるので、子どもをつくりやすい政策が打てるといいのかなと」
「掲示板が足りない」問題 法改正をするべきでは
小川彩佳キャスター:
都知事選の掲示板で顔ぶれを見比べて吟味するという方もいるかと思いますが、その掲示板も想定外の事態となっていますね。
小説家 真山仁さん:
大勢の人が東京都知事選に関心があることは良いことかもしれませんが、掲示板に関しては、一部で「本当に選挙目的で使うのか?」という声もあったと思うんですね。
そういう意味では公職選挙法の中で「選挙にしっかり使わなくてはいけない」というような法改正を今回、ちゃんとやっておかないと、さらにエスカレートする気がします。よく考えたなとは思いますけど、ちょっと残念ですね。
小川キャスター:
あり方を見直していくことも必要になってくるかもしれません。投開票は7月7日とです。
========
真山仁さん
小説家「ハゲタカ」「ロッキード」など
最新著書に「疑う力」