イギリスを公式訪問中の天皇皇后両陛下。今回の訪問では、お二人の「思い出の地」にも足を運ばれるようです。
【写真を見る】天皇皇后両陛下がイギリス公式訪問 23年前の親善訪英ではチャールズ国王のチャーミングなお姿も【Nスタ解説】
両陛下が留学されたオックスフォード大学訪問も予定
良原安美キャスター:
天皇皇后両陛下が6月23日、思い出の地・イギリスに到着されました。
宿泊先に向かわれる際に撮影された写真には、水色でリンクしたコーディネートのお姿が写っています。
そもそも2020年にエリザベス女王から招待を受けていましたが、新型コロナウイルスなどで延期になり、今回の訪問がようやく実現したという形です。
最初に訪問されたのは、日本文化などを紹介する「ジャパン・ハウス」(ロンドン)です。その後、イギリスで活躍している日本人らとも面会されました。
今後の主な日程です。バッキンガム宮殿にて国王夫妻主催の晩さん会に出席。先端医療などを研究するフランシス・クリック研究所を訪問。また、エリザベス女王の墓へ花を手向けられます。
さらに、両陛下が留学されていたオックスフォード大学訪問も予定されています。そして、日本時間28日に帰国されます。
ホラン千秋キャスター:
国内にも様々な共通の思い出はおありだと思いますが、海を越えて共通の思い出があるのは、どこか特別な思いがおありなんだろうと推察します。
ハロルド・ジョージ・メイさん:
特別中の特別だと思います。
もう一つ非常に特別だと思うのは、私はオランダ人ですが、オランダにも王室があります。やはり王室や皇室が作る雰囲気・空気は、ものすごく大事なものです。総理や大統領は、数年間の空気は作れるにしても、(王室や皇室は)一代を作ります。
ジャパン・ハウスの訪問や日本文化の紹介も、日本のいいところを早く全世界の人々に知ってほしいということだと思います。
井上貴博キャスター:
もともと日本の皇室は、イギリスの王室を基にして今があると言われています。
現在、イギリスではチャールズ国王やキャサリン妃が闘病中で、イギリスの皆さんが大変心配している中で、天皇皇后両陛下がご訪問される。イギリスでも、すごく明るい話題になっているのかなと思います。
ハロルド・ジョージ・メイさん:
間違いないと思います。もう一回、両国の絆というか、過去にいろいろあったにせよ、それを乗り越えて今日に至るというメッセージは、非常に大事だと思います。友好はそこから始めないとダメですよね。
23年前にはチャールズ国王がうちわ片手に
良原キャスター:
両陛下がイギリスを訪問されたのは2年前の2022年、エリザベス女王の国葬に出席されて以来となります。
親善を目的とした訪問は23年ぶりのことで、前回は2001年5月に訪問されました。当時、雅子さまがご懐妊されていたので、皇太子としてお一人で訪英するという形になりました。
その際にはエリザベス女王自ら、ご自身が住むウィンザー城を案内。日本の皇室からの贈り物などを紹介される、特別なおもてなしを受けたといいます。
さらに、この訪英の際に、日本文化の紹介イベント「ジャパン2001」にチャールズ国王(当時は皇太子、以下略)と出席しました。
会場では、日本の伝統芸能「阿波踊り」の実演が行われ、チャールズ国王も飛び入り参加。うちわ片手にチャーミングなお姿を披露しました。
今回はどんな交流があるのか楽しみです。
ホランキャスター:
先ほど「一代」というお話がありましたが、継続的に交流を深められることにより生まれる絆は、必ずありますよね。
ハロルド・ジョージ・メイさん:
そうですよね。歴史を乗り越えるのが友情というだけではなく、日本の文化やいいところを紹介できるのも、やはり皇室だからできることだと思います。
晩さん会でチャールズ国王や天皇陛下もスピーチされるでしょう。そこで何を言うのか、楽しみです。
井上キャスター:
自然災害が起きるたびにイギリスの王室としてメッセージをくださり、素敵だなと思います。
今回訪問されたジャパン・ハウスでの能登半島地震で被災した「輪島塗」などの鑑賞を、イギリス側の配慮でわざわざコースに入れたそうです。陛下がご覧になり、被災地への思いを発信されましたが、両国の結びつきも素敵だと感じます。
ハロルド・ジョージ・メイさん:
そういう気遣いというか、きちんと入れるのもイギリスらしいと思います。
伝統や歴史も大好きなので、日本の伝統工芸品も紹介できるのが大切ですよね。
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<プロフィール>
ハロルド・ジョージ・メイさん
日本コカ・コーラ副社長やタカラトミー社長などを歴任
現在 パナソニック社外取締役 アース製薬社外取締役など
オランダ出身、日本在住30年以上