猫との暮らしでは、動物病院、天災時の移動にキャリーバッグは欠かせません。猫は好奇心旺盛な一面もありますが、初めて登場するモノに対し、警戒心を持つことがあります。今回は、クレート(箱形のキャリーバッグ)を一例に、外出までのプロセスを解説します。
1.まずは「猫ハウス」として
猫は違和感にとてもこだわりがあります。暮らす環境=世界なので、少しでも変化があると、警戒することもしばしばです。フードのメニューや食器を変更しただけで、ごはんを食べなくなることすらあります。
飼い主さんには何でもない変化でも、愛猫にとっては大ごとです。キャリーバッグの登場もそのひとつと言っていいでしょう。ある意味、用心されるのが当たり前。いきなり入ってもらおうとしても、おそらく、拒絶されます。
まずは、部屋の隅っこや窓際など、ふらっと立ち寄りやすい場所にキャリーバッグを置き、愛猫に「猫ハウス」として理解してもらうことが大事です。その際は、気が向いたときに出入りできるように、あらかじめ扉を外しておきましょう。
2.食事処として使う
さらに効果的なのは、ごはんやおやつを食べる「食事処」として利用してもらうことです。キャリーバッグの中にお気に入りのフードを置いておくと、自分から好んで入ってくれるようになります。
猫にとって、ごはんやおやつは喜びのひととき。キャリーバッグ=美味しいものがもらえる、と認識し、好感度が上がります。
不快な出来事を忘れない猫ですが、一方で、良かったこともよく覚えています。キャリーバッグに慣れてもらうためには、快適で好ましい場所、という印象づけが非常に大切です。
普段から使っている毛布やタオル、おもちゃなど、愛猫の匂いが残るものを入れておくのもポイント。猫は匂いにとても敏感なので、自分の匂いがあると安全な場所として見なします。
3.扉をつけて移動してみる
上記の手順を踏んで少し慣れた段階でも、まだ油断はできません。今度は、扉を閉めても怖がったり、逃げ出したりしないか、チェックが肝心です。猫は狭い空間が大好きですが、閉じ込められるのは苦手で、場合によっては暴れることもあります。
次のステップとして、愛猫の様子を観察しつつ、セットした扉を少しずつ閉めていきます。嫌がるようであればやめて、別の機会にトライしてください。落ち着いた状態を確認できたら、最後まで閉めてみましょう。
仕上げは、持ち上げてみても問題がないかの確認です。部屋の中を歩き回っても平気だったら、最終的に、キャリーバッグを持って近所を少し散歩してみてください。
この段階までくると、最初の頃と比べてずいぶんキャリーバッグに慣れています。あとは、移動時の車や電車に慣れてもらうだけです。
すべてのプロセスに言えることですが、「急かさない」、「無理強いしない」といった心遣いがいちばん鍵を握ります。愛猫のペースに寄り添って、少しずつ慣れてもらってください。
まとめ
動物病院への移動や自然災害時の避難のためにも、キャリーバッグの役割はかなり重要です。最初のステップとして、日頃から「猫ハウス」的に部屋に置いておくと、愛猫も慣れやすくなります。
ごはんやおやつを食べる際に利用するのもコツ。嫌がるようであれば、いったん間を空けて再チャレンジしてください。
何であれ、気長に構えて愛猫のペースに合わせるのがいっしょに暮らすうえでの秘訣です。
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