昨年7月、札幌ススキノのホテルで男性が殺害され頭部を持ち去られるなどした事件。起訴された親子3人のうち、母親の2回目の裁判が行われています。父親の修被告が弁護側の証人として出廷し、娘を警察に通報できなかった理由などについて証言しました。
【写真を見る】札幌 すすきの頭部切断事件 父親・修被告「これ以上娘を追い詰めたくなかった」母親の2回目の裁判で証言【Nスタ解説】
“ススキノ殺人” 特殊な親子関係 “奴隷扱い”されても…
良原安美キャスター:
2023年7月、札幌市ススキノのホテルで、当時62歳の男性が殺害され首を切断、頭部を持ち去られた事件について、親子3人が逮捕・起訴されました。
▼娘の田村瑠奈被告は「殺人」「死体損壊」「死体領得」「死体遺棄」
▼父親・修被告は「殺人」「死体損壊」「死体領得」「死体遺棄」ほう助
▼母親・浩子被告は「死体損壊」「死体損壊」ほう助の罪に問われています。
母親の2回目の公判について、検察側は娘・瑠奈被告との“特殊な家族関係”を指摘しています。
・一人娘の瑠奈被告を幼少の頃から叱ることなく溺愛
・常に瑠奈被告の機嫌を伺い、「お嬢さん」と呼び敬語を使う
・母親の浩子被告は「私は奴隷です」という誓約書を書かされリビングに貼られる
・父親の修被告は娘の瑠奈被告から「ドライバーさん」と呼ばれ、夜通し遊ぶ娘に付き合う
→奴隷扱いでも抗わず“瑠奈ファーストの家族関係”が築かれていた
6月4日に行われた母親の初公判で浩子被告は「あまりに異常なことだったので、娘に対して何も言えず、とがめることもできず、認めることもできず、何も言えませんでした」と話し、「死体遺棄」「死体損壊」について“手助けした”という起訴内容を否定。無罪を主張しています。
そして1日に行われた2回目の公判で、弁護側の証人として父親の修被告が出廷しました。
ーー遺族への言葉は?
修被告「言葉ではとても言い尽くせませんが、取り返しがつかないことをした。本当に申し訳ない」
ーーなぜ警察に通報しなかった?
修被告「(私の手で娘を)突き出すことは、娘を裏切る行為になると思った。今も娘は相当苦しんでいるから、これ以上娘を追い詰めたくなかった」
ホラン千秋キャスター:
母親は「異常だ」ということを自覚し、父親も遺族に対し「申し訳ない」と思っている。にも関わらず、娘に対しては親として「守りたい」という感情がある。家族としてどのように機能していたのでしょう。
パナソニック社外取締役 ハロルド・ジョージ・メイさん:
家族として機能していないから、このような事件が発生したのではないでしょうか。行き過ぎた愛情はどこかでストップしないといけない。ある意味、親の責任でもありますね。
海外でも例を見ない、非常に凶悪な犯罪です。しかも父親は誰よりも命の尊さを理解している医師にもかかわらず、事件に関与してしまった。何があったのか、法廷ではっきりと述べてほしいですね。
ホランキャスター:
どこかでストップをしなくてはいけないとわかってはいると思うんです。しかし外に知られたくないという思いが働いてしまう。どのようにSOSを出せばいいのか、また外部はどのように異変を察知できるのか。難しい問題です。
ハロルド・ジョージ・メイさん:
普通の人生においても相談できる友人や親戚などは必要です。相談できる相手がいないとどうなるか。この事件が思い知らせてくれたのではないでしょうか。