「猫の体に『白い粉』がついているけど、いったいなんだろう?」と思ったことはありませんか?その白い粉の正体は「フケ」です。フケは生理現象のひとつですから、出ること自体は異常ではありません。しかしフケが体全体についている、量が多いといった場合は、皮膚になんらかのトラブルが生じている可能性があります。今回は猫のフケが増える4つの原因とその対処法について紹介します。
猫の体についている白い粉は「フケ」
猫の体についている白い粉の正体は「フケ」です。フケは皮膚が新しくなる際にはがれ落ちた古い角質で、白い粉が被毛に付着しているように見えます。
フケは生理現象なので、出ること自体は異常ではありません。ただし猫の場合、毛づくろいの際にフケもいっしょに舐めとって被毛をきれいにしているため、目立たないのがふつうです。
ところが皮膚になんらかの異常が生じて、新陳代謝が活発になったり、皮膚の代謝サイクルが正常におこなわれなくなったりすると、フケがたくさん出るようになります。また、病気や環境ストレスにより自身でグルーミングができない状況の場合もフケが目立つようになります。
このようなことから、猫の体についている白い粉の正体は、なんらかの「皮膚のトラブルなどによって過剰に出たフケ」だと考えるのが自然です。
では、なぜ猫のフケが増えるのでしょうか?その原因と対処法について以下で詳しく紹介します。
1.皮膚の乾燥
猫も人間と同じく、乾燥がフケの原因になり得ます。そのため乾燥しがちな冬はもちろん、エアコンや暖房器具を使用する時期や季節の変わり目は、フケに悩まされがちです。
空気が乾燥しているときは皮膚のバリア機能も低下し、さまざまな皮膚トラブルの原因にもなります。加湿器を使用するなどして、快適に過ごせるようにしましょう。
ちなみに猫にとって快適な湿度は50〜60%程度とされています。
また猫用の保湿クリームや保湿スプレーを使うといった方法もあります。ただし、猫は体に何かをつけられること自体が苦手なので、猫が毛づくろいで体をなめるのが気になる場合は、動物病院で相談すると安心でしょう。
2.アレルギーや感染症による皮膚炎
アレルギーや寄生虫感染、真菌感染による皮膚炎が原因でフケが出る場合があります。
アレルギーの原因には、食べ物のほかに、ノミ、ダニなどの寄生虫やハウスダストといったものが考えられます。フケ、かゆみ、湿疹がおもな症状です。
寄生虫感染では、ネコツメダニ、ネコショウセンコウヒゼンダニ、ネコノミ、シラミ、ニキビダニなどが原因となります。フケのほかに発疹、炎症、かゆみなどが見られることもあります。かゆみの強さは、原因となる寄生虫や感染数、皮膚状態によって異なります。
真菌感染とは、いわゆるカビの感染です。猫の皮膚炎の原因となる真菌には、皮膚糸状菌やマラセチアなどがあります。
猫は皮膚糸状菌の感染が多く、おもな症状はフケと脱毛です。免疫力の低い子猫や老猫はとくに感染のリスクが高いため注意しなければいけません。
いずれの場合も動物病院を受診し、適切な治療をおこなう必要があります。
3.ブラッシングの刺激
猫にとってブラッシングは、毛玉の防止や血行促進のほか、飼い主さんとのコミュニケーションといったメリットがあります。定期的におこないたいお手入れです。
ところが硬いブラシや過剰なブラッシングによって皮膚に強い刺激を与えてしまうと、皮膚炎を引きおこして、フケの原因になってしまう可能性があります。
ブラッシングの際は、かならず猫用のやわらかいブラシを使い、適度な時間と頻度でおこなうようにしましょう。
4.過度の緊張やストレス
過度の緊張やストレスがフケの原因になってしまうことがあります。
猫は強い緊張を感じると毛を逆立てる立毛筋が収縮するため、古い角質層が剥がれやすくなると考えられています。この場合は一時的なもので、気持ちが落ち着くとフケも出なくなるでしょう。
一方ストレスの場合は、ストレスによる過剰な毛づくろいが原因で皮膚炎を引き起こし、フケがでるようになります。
猫がストレスを感じたときに、気持ちを落ち着かせるために毛づくろいをするのは正常な行動ですが、いつもより頻繁に毛づくろいをしているときは注意が必要です。
また、多頭飼育や家庭環境が原因で、正常で適度なグルーミングすらできない緊張状態にある場合もフケを舐めとることができず、フケが目立つようになります。
緊張やストレスの原因を特定し、排除するようにしましょう。
まとめ
猫の体についた白い粉の正体は「フケ」です。
猫の体にフケがたくさん見られる場合は、感染症などの病気の可能性が疑われます。皮膚のトラブルでは、症状が悪化すると完治するまでに時間がかかる場合もあります。感染症の場合、中には他の猫や人間にうつるものもあります。「フケが多いな」と感じたら早めに動物病院を受診しましょう。
また日常生活では、適度な運動、遊び、快適な温度と湿度、清潔な生活空間など心身共にストレスを感じずに過ごせるように環境を整えることも大切です。
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