猫にとってグルーミングは毎日の欠かせない日課であり、一日の3~5割をグルーミングに費やすといわれています。しかしなかにはグルーミングをしなかったり、突然しなくなったりする猫もいて、それにはどうやら理由があるようです。
猫がグルーミングをしない理由4選
1.高齢だから
猫は高齢になると、グルーミング行動が減少することがよくあります。これは多くの猫に見られる自然な変化であり、いくつかの要因が関係しています。
まずひとつは体力が落ちたこと。高齢の猫は体力低下により、長時間グルーミングを続けることが困難になります。
動くのさえ億劫なのに、毎日のグルーミングはより体の負担に。体力を温存するためにも、グルーミングの頻度が若いときよりも落ちてしまうんですね。
もうひとつが変形性関節症といった体の痛みによるものです。
人も高齢になると膝や腰に慢性的な痛みを抱えることがありますが、猫も同じように年をとると、体の節々に痛みを抱えているケースがあります。
このような痛みが体を曲げたり伸ばしたりする動作を困難にし、グルーミングを妨げてしまう原因に。
猫自身も、体が痛むのでますますグルーミング行為が億劫になるのでしょう。
2.肥満だから
猫がグルーミングをしない理由の一つに「肥満」があります。肥満は猫の健康にさまざまな影響を及ぼしますが、グルーミング行動の減少もその一つです。
肥満がグルーミングに影響を与える要因は、3つあります。
ひとつは体型変化によるものです。肥満した猫は、体型の変化によってグルーミングが物理的に困難になります。
過剰な体重により体の柔軟性が失われ、以前は簡単に届いていた部位にも手が届きにくくなるのです。
とくに背中付近や下腹部、お尻周りなどの後ろ側の部分は、肥満によって影響を受けやすい箇所。通常は猫がセルフできれいにする場所ですが、肥満によってその動作が制限されてしまいます。
もうひとつが活動量の変化です。肥満は猫の全体的な活動量を減少させます。
エネルギー不足や息切れにより、グルーミングに必要な体力が不足してしまうのです。グルーミングは猫にとって重要な日常活動ですが、それを行う余裕がなくなってしまうのですね。
最後は体の痛みによるものです。体重が増えるとその分足腰に負担をかけて、痛みや不快感の原因になります。
こういったことがグルーミング時の動きを制限し、その頻度を減少させる原因となるんですね。
3.病気だから
猫がグルーミングをしなくなる理由のひとつが「病気」です。
健康な猫は、一日の大半をグルーミングに費やすほどですが、グルーミングが著しく減少したときは、何らかの健康上の問題を抱えている可能性が考えられます。
グルーミング減少となる病気はさまざまです。腎臓病、心臓病など。
何かしらの病気によって「グルーミングする元気がない」状態になると、これまで元気にグルーミングしていた猫も急にグルーミングをしなくなることもあります。
4.個性だから
猫がグルーミングをしない理由として「個性」という性格的な要因も挙げられます。
一見すると人間の感覚を猫に当てはめているように思えるかもしれませんが、猫の個性や行動パターンの多様性を考慮すると、一概にそう言い切ることはできません。
基本的に猫は非常に清潔好きな動物で、日々のグルーミングは猫にとって大切な日課です。
しかしどうやら個体によってグルーミングの頻度や熱心さには差があるようで、グルーミングをしない、やっても少しの猫もいます。
我が家の3匹の愛猫のうち1匹は、元気でスリムですがほとんどグルーミングをしません!若いころからずっと、同居猫がグルーミングをしてくれるからか、セルフでは行いません。
グルーミングをしてくれた猫に、お返しのグルーミングをするかと思いきやしません!そのため同居猫が亡くなった後は、ブラッシングをしないと、たちまち毛がボサボサになります。
このように、猫によってはもともとグルーミングを面倒くさがって行わないケースは、意外と少なくないのかもしれません。
こんなときは気をつけよう
これまで元気にグルーミングしていた猫が、突然グルーミングをしなくなったら要注意です。
先にも少し触れましたが、突然しなくなるのは何かしらの健康上のトラブルなどで体が弱っている可能性があります。
猫が元気でご飯もよく食べている場合は様子を見てもいいですが、ほかの症状がみられたり、食欲が落ちていたりしたら獣医師に相談してみましょう。
まとめ
猫がグルーミングをしなくなる理由はさまざまです。健康上の問題・高齢による影響・個性など。
「グルーミングをしない=絶対体が悪い」というわけではありませんが、急にグルーミングをしなくなったり、ほかの症状があらわれている場合は、必要に応じて獣医師に相談しましょう。
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