“まぜこぜの社会”を目指して 東ちづるさんが代表を務めるGet in touch

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2024-07-08 21:09
“まぜこぜの社会”を目指して 東ちづるさんが代表を務めるGet in touch

今回のテーマは…“まぜこぜの社会”を目指して。東ちづるさんが代表を務めるGet in touch

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誰も排除しない「まぜこぜの社会」をめざして

俳優の東ちづるさんが代表を務める一般社団法人Get in touch。この団体は、誰も排除しない「まぜこぜの社会」をめざしています。

活動の一環で作られたのが「まつりのあとの あとのまつり〜まぜこぜ一座殺人事件〜」という社会派サスペンス映画です。

出演しているのは、車いすや義足、ダウン症、自閉症、低身長症のダンサー、全盲の歌手や落語家、トランスジェンダーのシンガーソングライター、ドラァグクイーンのタレントなど、様々な特性のあるプロのパフォーマーたちで、文字通り「まぜこぜ」です。

番組では6月16日にLINE CUBE SHIBUYAで開催された、映画の完成披露上映会を取材しました。

上映会は、映画を観て、そのあと作品にも出演したマイノリティーパフォーマーたちの公演という二部構成でした。

この映画には、まぜこぜ一座のパフォーマーが実名で登場します。公演後の楽屋で、東ちづるさんが何者かに殺されてしまったために皆で犯人を推理していく…というサスペンスです。

劇中のセリフより
「あたし、マメさんが犯人でも構わないんだけど多数決がイヤなのよね」
「なんで?」
「便利じゃないですか多数決って?」
「民主的だし」
「多数決なんて民主的じゃないわよ!民主主義って本当は少数の意見も尊重することなのよ。だけど何でも多数決で決めるから、社会がどんどん私たちマイノリティが生きにくい場所になってく。それなのに私たちが多数決で犯人を決めて…」
「ハイハイハイ、もうかずよさんの言い分はわかったから」

映画はそれぞれの特性を活かした推理や弁明が印象的な作品でした。

例えば、身長180センチ以上あるドリアン・ロロブリジーダさんというドラァグクイーンの台詞で思わず笑いがこぼれてしまったのが「大柄なドラァグクイーンの存在感ありまくりのあたしじゃ、こっそり抜け出していくなんて誰かに見られるわよ!」というものです。

自分の特性をポジティブに転換して演じているのも興味深かったです。

生パフォーマンス中は舞台上に「手話通訳」などバリアフリーの工夫

この映画は、スマホの無料アプリ「ハロームービー」を使った音声ガイドもあるので視覚障がい者も内容が分かるようになっています。

この日は完成披露試写会だったので、観客も様々な特性のある人がたくさん見に来ていました。

ダウン症の当事者である高校生とその母親
母:うちのダウン症の息子と、私の姉と3人で来ました。
息子:きょうの映画は最高です。
母:彼も一応障がいのある子の専門の芸能プロダクションに所属しているんですね。だからゆくゆくは当たり前のように映画とかドラマとかに出演できるようになったらいいなと思っています。

座席には、車椅子を使用している人、見た目ではわからない内部障害などでヘルプマークを付ける人、様々な国籍の人、ベビーカーの赤ちゃんなど、観客も多様性に溢れていました。

さて、上映後の二部ではパフォーマンス上演がありました。

映画なら字幕が付けられますが、生のパフォーマンスはどうするのかな…と思ったら舞台の上手には手話通訳がいて、さらに手話通訳の前には「聴覚障害者優先席」があります。文字起こしの投影もしていました。

また、視覚障がい者向けには無料貸し出しの専用端末でパフォーマンス上演の音声ガイドを聴けるようになっていました。ステージの様子をリアルタイムで実況しています。

ガイド音声より
「…ステージ左右から今まで登場したダンサー達が皆でてきます。大前光市さんの義足が光っています。ステージが暗転。…再び明るくなります。踊った皆さん、演奏した皆さんがお辞儀をします。ステージが暗くなる。大前光一さんの義足だけが光っています。皆さんが左右に退場していきます」

このガイド音声が伝えていたのは全盲のシンガーソングライター・佐藤ひらりさんの歌に合わせてパフォーマーたちが踊っていた様子です。

「とにかく全員ウェルカム」を全国、そして海外へ

今回、マイノリティパフォーマーたちのリアルを、善悪、清濁隠すことなくまぜこぜにしてドラマチックに描いた映画を企画・構成したのは、冒頭でも紹介した東ちづるさんです。

東さんに、今後の展望について聴きました。

東ちづるさん(一般社団法人Get in touch代表、俳優)
「皆で楽しむっていうフレーズはよくあるんですけれども、その中に私は入ってないよね、僕入ってないよねっていう声が本当に多いんですね。なのでとにかく皆を目指すっていう、文字通訳、音声ガイド、手話、デジタルパンフレット…車いすの方もウェルカム。赤ちゃんもウェルカム。全員もうとにかくウェルカム。本当はこれがビジネスになるといいです。私たちボランティアで活動しているんですけれども、本当にこれがちゃんと仕事になって全国を回るとか海外に行くとかなったらウケると思うんですよね。グレーテストショーマンを目指したいですね」

今回紹介した映画「まつりのあとのあとのまつり〜まぜこぜ一座殺人事件~」は、配給会社も決まり、この秋に渋谷から公開をスタートして、全国を目指していくそうです。

東さんは英語字幕も付けて海外での上映も目標にしているということです。

(TBSラジオ「人権TODAY」担当・TBSラジオキャスター 加藤奈央)

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