愛犬に「おいで!」と呼んでもなかなか来てくれなかったり、目の前まで来ても別の所へターンしてしまうことありませんか? このような悩みに対して「信頼関係ができていないから」という意見もありますが、信頼関係かどうかは別として、ひとまず言えることはメリットの有無です。単純に、犬はメリットがあればその行動を選択し、メリットを感じられなければ別の選択をします。「おいで」で言えば呼ばれて飼い主さんの元へ行くことがメリットであれば行きますし、それよりももっと魅力的ななにかが飼い主さん以外のところにあったり、そもそも飼い主さんのところへ行くことがデメリットだと感じていれば呼ばれても行くことはないのです。これはどういうことなのか、具体的にご説明しましょう。
愛犬に提示すべきメリットとは
愛犬に「おいで」と言ったときに必ず来てほしいのであれば、「おいで」と呼ばれて飼い主さんの元に行ったとき、(必ず良いことがある♪)と思ってもらわなければなりません。
つまり、愛犬にとって「おいで」という合図は、絶対的メリットが提供されるという「愛犬と飼い主との約束」なのです。
一番わかりやすいメリットとしてはトリーツの提供ですが、その使うトリーツも普段のフードよりもワンランク上の特別おいしいトリーツを使うのもおすすめです。
もちろん普段使っているフードでもいいのですが、さまざまな誘惑がある日常だからこそ「いろんな誘惑よりも飼い主さんの元へ行くほうが良い」と思えるだけのメリットが約束されているほうが定着しやすいと思います。
絶対やってはいけない行為とは
この時絶対やってはいけないのは、「おいで」と呼んでおきながら愛犬が飼い主さんのもとへ来たのにも関わらず、そんな愛犬に嫌悪刺激を与えるという「裏切り行為」です。
例えば、愛犬が脱走してしまったりなにかやんちゃな遊びをしてしまってたりするとします。
すると、飼い主さんはひとまず「おいで」と呼び愛犬がその合図を聞いて飼い主さんの元へ来たとき、「こら!なんでこんなことをするの!」と威圧的な態度を示す人は少なくありません。これをすることで犬が感じるのは、不安や恐怖といったネガティブなものです。
本来呼ばれたら絶対良いことがあるという約束のはずなのに、呼ばれたら嫌なことが起こったともなれば、犬は今後は「おいで」の合図で飼い主さんの元へ行くという選択をしなくなります。
それが徐々に選択しなくなるのか、それとも行こうかどうか迷うようになるかは犬の性格によってさまざまですが、共通しているのは『「おいで!」の合図でそちらに行くことにメリットがあるとは限らない』という心理が働いているということです。
そのような心理が働いてしまっている以上、「おいで!」と呼ばれても愛犬が飼い主さんのもとへ行かなくなってしまうのは、起こるべくして起こる現象なのです。
約束されたポジティブな居場所になる
呼んでも来ない愛犬に対して絶対的に必要なのは、「飼い主さんのところへ呼ばれて行くと絶対良いことがある!」という状態にすることです。
そのためには先ほど述べたように「おいで!」でやってきた犬に対して嫌悪刺激となることは絶対にしないこと。その代わり、愛犬にとって良いことを必ず提供することを徹底しなければなりません。
来てくれたことを喜んで褒めたり、撫でられることが好きな犬なら撫でたり、一緒に遊んだり、もちろんトリーツを使ってもいいですね。
絶対に嫌なことはしない嫌なことは起こらない、「おいで」はただただポジティブなことだけが約束された合図であり、飼い主さんの場所はそれが約束された場所であれば、その合図を無視するということはほぼなくなります。
「ほぼ」というのは犬は気持ちのある生き物ですから「必ず」というものはないと考えているからです。
これはどんな場面でも当てはまることではありますが、特に「おいで」は過信してはいけません。過信することでオフリーシュ(ノーリード)にし、呼び戻しがうまく機能せず逃げて迷子になってしまった、という悲しいできごとは日常茶飯事です。
そうした事故を防ぐためにも、飼い主さんのところに行く「おいで」の合図は絶対に良いことがあるという約束をするのと同時に、相手は生き物だということを忘れないようにしてください。
まとめ
愛犬を呼んでも来ない理由は単純に、「おいで」の合図で飼い主さんのところに行くことに魅力を感じていないからです。
魅力、つまりメリットを感じていれば犬は「おいで」の合図で飼い主さんのもとへ行くという選択を喜んでしてくれますし、その逆であれば当然飼い主さんのもとへは行きません。
「おいで」が機能しない状態を避けるということは、万が一のとき愛犬を助けることにもつながり、また絶対に割ることは起きない場所を約束・提供することにもなるため安心と信頼にも繋がります。
愛犬との関係を深め信頼と安心を確保するためにも、ぜひ「おいで」の価値を下げることないよう意識して日々練習してみましょう。
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