山口県の釣り糸製造企業株式会社サンラインと東京の義肢製造企業株式会社愛和義肢製作所が、義手製造技術における画期的な進歩を遂げました。
株式会社サンラインと株式会社愛和義肢製作所とのコラボレーション
両社は、大気圧低温プラズマを用いた新義手製造技術を共同で開発しました。これはシリコーンゴム製義手の表面にプラズマを照射し、義手を身体に固定する面ファスナーの接着強度を約10倍以上改善するものです。また、義手の耐久性向上だけでなく、従来の薬液処理や研磨などの下地処理を削減し、義肢装具製作作業の効率化も実現しています。技術の背景と詳細
シリコーンゴムは耐熱性や耐化学性、低アレルギー性などの性質から、義肢製造素材として一般的に用いられています。しかし、その物性から接着が困難であり、特に面ファスナーは、シリコーンゴムへの適用が難しいという問題がありました。それを解消するために開発された新技術では、義肢装具士の作業負担や、化学薬品の使用による人体への影響が減ることが期待されています。開発した技術の特長
株式会社サンラインと株式会社愛和義肢製作所は、接着性の問題をプラズマ処理により解決しました。この処理はプライマーなどの薬液処理や研磨などの下地処理が不要で、安全性、作業効率、耐久性が大幅に改善します。また新技術は既存のプラズマ処理手法に比べ低温、ダメージフリー、高スループット性を兼ね備えています。今後の予定と将来性
両社は、この技術が義肢装具の安全性向上や義肢装具士の作業環境改善に広く貢献することに期待しており、東京電機大学の協力のもとで実装に向けた共同研究を進めています。また、株式会社サンラインは義肢装具製造用の大気圧低温プラズマ装置を2023年10月に発売予定です。リンク
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