都内の大学病院に勤務していた男性医師が、くも膜下出血を発症し労災申請したものの、宿直勤務の一部が労働時間として認められず、労災認定されなかったことを不服として国に対して訴えを起こしました。
都内の大学病院で緩和医療科の医師として働いていた男性(50代)は、2018年にくも膜下出血を発症し現在も入院しています。
代理人によりますと、男性医師は発症前の3か月の時間外労働が平均して月200時間を超えていたなどとして労災申請をしましたが、三田労働基準監督署は、宿直勤務中の仮眠時間は労働時間に含まれないと判断し労災と認めませんでした。
さらに、男性医師の求めで行われた再審査では、宿直勤務の大部分が労働時間として認められず請求が棄却されました。
男性医師はきょう、労災認定が認められないことを不服として、労基署の判断の取り消しを求めて東京地裁に提訴しました。
男性医師の代理人は宿直勤務中は診察や緊急事態などへの対応をしていることから、全て労働時間にあたるとしています。
男性医師の代理人 川人博弁護士
「医師の過重労働の軽減という問題に関して言えばですね、ほとんど全く軽減されていないというのが、この間の医療現場の実態であると考えております」
今年4月から「医師の働き方改革」が始まり、医師にも残業時間の上限が定められましたが、男性医師の代理人は「実態は過重労働が続いている」と指摘しました。