暑すぎて「四季」から「五季」へ… 異常気象で変わる消費、お出かけ先も変化【Nスタ解説】

TBS NEWS DIG Powered by JNN
2024-07-10 21:21

暑すぎる日が続き、「四季」が揺らいでいると感じる方もいらっしゃるのではないでしょうか。日本の季節は「五つに増えた」として、戦略を見直すアパレルメーカーも出てきました。

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夏を「初夏・盛夏」と「猛暑」に分け2か月延長 四季から“五季”に

井上貴博キャスター:
一昔前までは、夏といえば7月から9月ぐらいのものでしたが、今や6月から10月ぐらいまで暑さが残るということで、メーカー側も大変です。

アパレルメーカーの三陽商会では、「四季」から「五季」に考え方を変えています。これまでは春夏秋冬を3か月で区切ってましたが、2024年からは春と秋を1か月ずつ減らし、夏を5か月にして「初夏・盛夏」(5~7月)と「猛暑」(8~9月)の2つに分けました

通常は8月に秋物に切り替えて販売していましたが、2023年は猛暑で夏物を売るチャンスを逃し、8~9月の売り上げが目標を下回ってしまったといいます。そこで考え方を変え、夏物の販売時期を、今までの3か月から5か月に拡大したというわけです。

他のメーカーではもっと思い切って「二季」にし、夏物と冬物だけで年間回そうという戦略を練るところも出てきているようです。

猛暑でも“雪遊び” 夏に人気のひんやりスポットとは?

井上キャスター:
夏の過ごし方という意味で、「いこーよ総研」調べによるアンケート結果があります。「夏のお出かけ、行き先に変化は?」という質問に、「以前と比べ変化あり」と答えた方は66%でした。具体的にみていきましょう。

●屋内施設へ行く:69%
●屋外でも屋根がある所へ行く:51%
●涼しい地域へ行く:43%
●朝・夕方などに出かける:31%

東京・八王子市には、人気のひんやりスポットがあります。「東京あそびマーレ」という施設は2歳以上1200円(平日)で、アスレチックやトランポリンなど、涼しい室内で体を動かせる場所です。

特に人気なのがスノータウンで、猛暑を避けたい家族連れに大人気だということです。2023年の同じ時期に比べ、来園者は約20%増えているといいます。

ホラン千秋キャスター:
お子さんがいると、どこかに連れて行かなければというのがあるかもしれませんが、連れて行く人がいなければ、どこにも行きたくないというのが正直な感想ですよね。

オンライン直売所「食べチョク」代表 秋元里奈さん:
本当に、家から一歩も出たくないなという日が続きますよね。私はいつもトレーニングしていますが、走りに行くにも、少しつらいなと感じます。

ホランキャスター:
どの時間帯に行くことが多いですか?

オンライン直売所「食べチョク」代表 秋元里奈さん:
今までは日中も走っていましたが、暑すぎるので、もう夜などにずらしています。

常温保存でき自宅で凍らせるアイスが好評 猛暑に強い桃の新品種も

井上キャスター:
これだけ暑いと今までの常識が通用せず、商品開発のうえでも工夫を凝らさないと売れないということになってくるなか、各メーカーはいろいろとアイデアを絞っています。

自宅で凍らせるアイスというものが出始めました。常温保存できるので冷凍庫のスペースを気にせず、食べたい時に凍らせて食べることができます

たとえば、友桝飲料の「凍らせる果実アイス」(税込143円)の担当者いわく「3月に発売したばかりですが、問い合わせが殺到しています」とのことです。常温のまま置いておいて、食べたい時に凍らせる。もっといえば、冷蔵庫に入れて、ジュースのような形で飲むこともできるのだろうと思います。

また、谷尾食糧工業の「おうちで凍らせて食べる甘酒アイス」(税込370円)の担当者は「自宅に持ち帰る際に溶けることを心配しなくていいと人気です」と話していました。

そして、猛暑に強くなるよう、品種改良もさまざまな農家で行われています。「ゆめとうか」という新品種の桃は、山梨のJAが開発育成を行いました。出荷開始は2022年と、新しい桃です。

特徴としては、▼暑さに強く、肉質がかためで日持ちする▼かたい桃だが、非常にジューシー▼糖度平均14度と、非常に高く人気だということです。

かたいと何がいいのかというと、鶴田農園の齋藤さんによれば「桃は輸送する時に暑さで傷んでしまうことが多いが、この新品種はその心配がないので安心」とのことでした。

ホランキャスター:
野菜やフルーツだと、6月までは常温で発送するような企業も多いと思いますが、2024年は6月でも30度を超える日が多かったです。企業としても、暑さに柔軟に対応していくことが重要になってきますよね。

オンライン直売所「食べチョク」代表 秋元里奈さん:
それこそ、もう5月ぐらいからクール便に切り替える農家さんもすごく増えており、対応が前倒しされています。こういった桃のような品種改良も進んでいて、暑さにどう対策するかがホットなトピックになっています。

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<プロフィール>
秋元里奈さん
オンライン直売所「食べチョク」代表 33歳
神奈川の農家に生まれる

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