幸運を呼ぶといわれている『多指症』の猫

2024-07-11 17:00

通常よりも指の本数が多くなる、「多指症」という病気があります。猫には比較的よくみられる奇形です。多指であることが猫に直接的に健康被害をもたらすわけではなく、かえって普通の猫にはない器用さから、欧米では「幸福を呼ぶ猫」として大切にされています。文豪へミングウェイにも愛されたという、「多指症」の猫について説明します。

「多指症」をご存知ですか

6本指の猫

通常よりも、手や足の指の数が多い奇形を「多指症」と言います。

これは稀に人間にもみられる病気ですが、猫には比較的多く見られる病気です。人の場合、豊臣秀吉の親指が1本多かったという記録が残っているといわれています。

猫では、メインクーンやピクシーボブによくみられます。通常、猫の指は前足に5本ずつで計10本、後ろ足に4本ずつで計8本で、総計18本になります。

ところが、多指症の場合は指が20本とか24本、28本などと通常よりも多くなるのです。

最も多いパターンは前足に6本ずつで計12本、後ろ足は4本ずつで計8本の、総計20本というパターンだといわれていますが、前足後ろ足の両方が多指になっているケースもあるようです。

船員たちに大切にされていた

多指症のメインクーン

元々多指症の猫達は、船乗り達に愛されていたといわれています。

多指症の猫は通常の猫よりも手先が器用で、船上のロープにも軽々と登ることができ、積み荷に被害を及ぼすネズミたちも上手に捕ることができたからです。

実際、現在飼育されている多指症の猫達も、転がるボールをとても器用に片手でキャッチしたり、通常の猫にはできないことができる場合が多いようです。

また、2016年にフランスの研究チームがヨーロッパ、カナダ、アメリカで暮らしている48匹の多指症のメインクーンと22匹の通常のメインクーンに対してX線写真による解剖学的比較を行った結果では、多指症の猫には健康被害が起きていないと結論付けられました。

文豪ヘミングウェイが愛したのも「多指症」の猫達だった

ヘミングウェイ博物館の猫

1954年にノーベル文学賞を受賞したアメリカの文豪、アーネスト・ヘミングウェイも多指症の猫達を愛した一人でした。

1930年代にフロリダのキーウェストで執筆活動を行っていたヘミングウェイは、友人の船長から前足の指が6本ある2匹の猫を譲り受けました。

この猫達がとても器用だったため、ヘミングウェイは「幸運を呼ぶ猫」だと信じ、とても大切にかわいがったそうです。

そのため、多指症の猫達は、今でも親しみの意味を込めて「ヘミングウェイ・キャット」と呼ばれることがあります。

この2匹の子孫たちは、今ではヘミングウェイ博物館となったヘミングウェイの自宅で、フロリダ州に管理されながら健康で幸せに暮らしています。

ヘミングウェイ博物館を訪れれば、誰でも博物館の展示場の上でくつろいでいるヘミングウェイ・キャットに会うことができます。

日本ではあまり受け入れられていない

通常指のジャパニーズボブテイル

ヨーロッパやカナダ、アメリカでは、幸運を呼ぶ猫として歓迎されている多指症の猫達ですが、日本の純血種ではあまりみられません。

日本の場合は見た目の印象があまり良くないとして、ブリーダーが多指症の猫を積極的に繁殖させず、また稀に生まれても流通には出さないからだといわれています。

まとめ

ミットのように大きい猫の前足

多指症の猫は指が多いため、足が野球のミットのように大きく見え、生活しづらいように感じていましたが、多指症という奇形が彼らに直接的な健康被害をもたらしてはいないということが分かり、安心しました。

また、欧米では多指症を一種の個性としてとらえ、その器用さから「幸運を呼ぶ猫」として大切にされているのと比べ、見た目の印象から敬遠している日本では、その文化的な背景に大きな違いを感じてしまいます。

日本では、猫にとっても人にとっても、ダイバーシティはまだまだ遠いのかもしれません。

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