【がん闘病】古村比呂さん(58) 再々再発でも "楽しく生きよう" "嫌なことは吐き出す" 100分で思いを激白【独占インタビュー】

TBS NEWS DIG Powered by JNN
2024-07-13 07:00
【がん闘病】古村比呂さん(58) 再々再発でも "楽しく生きよう" "嫌なことは吐き出す" 100分で思いを激白【独占インタビュー】

女優・古村比呂さん58歳。
19歳の時にクラリオンガール準グランプリに選ばれると、20歳で映画デビュー。さらに22歳の時にはNHK連続テレビ小説のヒロインを演じ、一躍人気女優の仲間入りを果たしました。
ドラマや映画、舞台と幅広く活躍していましたが、彼女は今、芝居を休み、再々再発したがんと闘っています。

【写真を見る】【がん闘病】古村比呂さん(58) 再々再発でも "楽しく生きよう" "嫌なことは吐き出す" 100分で思いを激白【独占インタビュー】

◆古村さん:
がんが分かったのは「2012年の1月」に検査の結果、子宮頸がんが分かりました。仕事で海外に行くので、その時すすめられた検査で、子宮頸がんが分かったんです。
だから自覚症状とか、そういったものは全くなく。ですから、そう言われてもピンとこないし、「私は仕事にこれから行くのに」っていう。
「検査が間違っている」と最初は思って、もう一度検査をしたんですね。別な病院で。その時に、自分のがん細胞となっているものの写真を見せられて、もうなんか血の気が引きましたけどね。「やっぱりがんだったんだ」って受け止めざるを得ない状況でしたので、もう怖くなりましたね。

自覚症状のないまま、検査でがんが見つかってしまった古村さん。

◆古村さん:
46歳で子宮頸がんになったんですけど、もっと遠い未来のことと思っていたのですが…そして何かあった時に「(自分の)体が『お知らせ』というか、『サイン』を出してくれるんじゃないか」って(思っていたと)いう、本当に無知なことばかりでした。

記者:
息子さんたちには?

◆古村さん:
「えっ?何?何を言っているの?」「だって元気じゃん」って言われて、「そうだよね、がんだったんだよ」「でもね、早くわかったから大丈夫だよ」って言うぐらいでしたね。「早く見つかってよかったね」っていう

早期に見つかった子宮頸がん。
しかし、子宮を全摘出することになったといいます。

◆古村さん:
私の場合はもうちょっと、がんが浸潤していた。レーザー(治療)だけではおさまらない…その後「全摘しましょう」っていうことになって、子宮全摘を受けたんですね。ちょっとなんですけどね。どこに進行してるとか、場所によっては全摘を1ミリ2ミリであってもしなきゃいけないというか。

記者:
子宮をとれば治るというか、いったん落ち着く感じなんですか?

◆古村さん:
そうですね。全摘をして、リンパ節も郭清するんですね。そして(医師が)「転移がなければ追加治療はないです」っていうことで、手術後の検査をした結果を待って(医師から)「古村さんの場合は、転移が無かったので、治療はこれで終わります」ということに。その後は「経過観察です」という、万々歳でした。やっぱり「早く見つかってよかった」と思いましたし、本当にほっとしましたね。

手術は成功し、転移も見られませんでした。
しかし、その喜びもつかの間、翌年にリンパ浮腫を発症。

◆古村さん:
リンパ節を郭清したことで起こる後遺症、合併症ともいうんですけどね。手術でリンパ節を取るんですね。その転移が無いように。そのリンパ節を取ることで、リンパ液の流れが滞ってしまい、上手く流れなくなって、それがだんだん体の中に溜まっちゃって、浮腫みが生じてしまうっていう症状。
(テレビの)特番なんですけど、ちょっと海外に行ったんですね。その番組で。そこでちょっと遠かったもので、飛行機の中とか、それで発症し始めちゃったんですね。足が浮腫みだしてきて。

◆古村さん:
浮腫んじゃうと、あれよあれよという間に、どんどん浮腫んできちゃう。私の場合は左右5センチぐらい最高の時は(足の太さが)違いました。
最初は(浮腫みが)膝上だったのが、だんだんおりてきて、足首とかもパンパンに、左右同じ靴が履けなくなるぐらい、浮腫んじゃいました。

◆古村さん:
(医師から)「治らない」って言われるんですね、発症しちゃうと。完治はしないものだから、(医師から)「一生付き合っていきますよ」って言われても「この足で私は仕事ができるか?」一番心配でしたからね。
がんの治療は、「状況によっては完治する可能性もある」っていうことは説明を受けますけど、「リンパ浮腫は完治はしません」っていうことを、はっきり言われますんでね。どうしたものかと思いますよね。

突然発症した、リンパ浮腫に苦しめられていた古村さん。
そして、がんの手術から5年後・2017年に…

◆古村さん:
ちょうど5年経った。手術を受けた日が検診日だった。やっと5年経ったから、もうちょっと病院との距離が開くかなって。そう思って行ったら、先生から「古村さん再発の疑いがあります」って言われまして。

それは「がんの再発」

◆古村さん:
5年前に手術をした時、全部がんを取り切ったと思っていたところ、検査には引っかからない、小さながんが残っていて、それが「5年の月日を経て、検査に引っかかる大きさになって、がんが分かった」っていう説明を、(医師から)受けました。

◆古村さん:
いわゆる「転移はしていた可能性がある」っていう、もう可能性の世界でしかないんですけど。5年の月日が経った時には、もう頭の中が「100%再発無い」っていう方向にいっていたんで、「再発するわけがない」って勝手に思っていたんでね…そういうのを「検査では分からない、がんがある」っていうことを、そのとき初めて知って、なんで「私はそこに引っかかっちゃったのかな」と思いました。「検査を受けてれば大丈夫っていうわけでもない」ということですよね。

それから1か月半、古村さんは放射線と、抗がん剤を使った治療を続けたといいます。
すると…

◆古村さん:
治療を終えてから、3か月後ぐらいにCTを撮ったんですね。その時にも、「検査にはがん細胞が見つからなかったので、寛解ですね」っていうふうに主治医から言われて。

◆古村さん:
良かったですよね。結構しんどい治療だったので、頑張って良かったと思いましたね。

「寛解」と言われ、ひと安心した古村さん。
ところが…

◆古村さん:
その後、また経過観察的に月1だったと思います、定期的に検査をしてる中、その同じ年の11月末にまた、(医師から)「がんが全身に回ってますよ」って言われて、「再々発ですね」って言われて、「もう後がないのかな」っていう感じでしたね。

2017年・11月
消失したはずの「がん」が、わずか半年で再々発。
しかも全身に回っていました。

◆古村さん:
なんか「全身に回ってるって、追っかけっこしているみたい」とか思いながら、一番悩んだのは、「再発」して、すぐまた「再々発」したので、提案されている治療法が「自分に合うものなのか」ってことで、抗がん剤治療が、3剤になっていくことで「自分もそれに耐えられるのかな」っていうこともありましたし、脱毛があったり…白血球数とかも下がったりとか

この治療で古村さんを悩ませたのは、
抗がん剤の「副作用」である「脱毛」だったといいます。

◆古村さん:
2週間くらいで、肌がチクチクチクチク痛痒くなってきて、それが(毛が)抜けるサイン。それが1日、2日ぐらい始まって、その後はもう一気に抜けます。

◆古村さん:
まず、最初に頭、髪の毛が抜けて、それから少しずつ眉毛、まつ毛、鼻毛とかが抜けていく感じです。

記者:
毛が抜けた時の生活への支障は?

◆古村さん:
ホコリにしろ、ウイルスにしろ、毛が守ってくれているのが、(毛が)無いわけで、鼻毛は特に全てがツーンとくるんです。わさびのツーンというもの。ちょっと風が強かったりすると、すぐ来ますし、まつ毛が無かったり、眉毛が無いと、ホコリもすぐ来ますし、マスクですね常にやはり…抵抗力もなくなっているので、ちゃんとマスクを常にするとか、目の場合は、付けまつ毛か、伊達メガネとか

実は古村さんは、脱毛の辛さの中、髪の毛が抜ける様子だけではなく、
毛が抜けた後の姿もYouTubeで公開していました。

記者:
YouTubeで公開することに抵抗は?

◆古村さん:
1回目の脱毛(再々発時の治療)の時にはありました。写真もほとんど撮ってなかったりとか、そういう「自分を受け入れられない」ところもあったりした。
2回目の脱毛(再々再発時)になった時に「抜ける時って、どんな風になるのだろう」っていうことを知りたかった自分がいた。「こういう時だからこそ、伝えよう」っていうのは思った。

◆古村さん:
意外とスキンヘッドにした時に、子ども達からも好評だったんですよね。「いい頭の形してるね」とか言われたり。
自分の中でも、スキンヘッドっていうのは、すごく憧れもあったこともあって、還暦を迎える時に、「一度スキンヘッドで、ウィッグ生活とかも良いな」っていうのを漠然と思っていたんですよ、がんになる前から。
「その時が来たな」と思って「ちょっと早いけどやってみよう」って思ったんです。お風呂は簡単になりますし、ブローもしなくて良いとか、そういう便利さもありますしね。

記者:
気持ちがポジティブに変わっていますか?

◆古村さん:
そうですね。もちろん落ち込みましたけど、なるようにしかならないから、「だったら楽しく生きようかな」って笑い飛ばすようにしているんです、心がけは。
がんから「この人の所にいても、なんか響かないな。相手にしてくれないな」って思ってもらえたら良いなって思って…

「楽しく生きよう」と、心に決めた古村さん。
もちろん、つらく「落ち込むこともある」といいます。
そんな時は…

◆古村さん:
体に、嫌なものを溜めないようにしています。落ち込む気持ちとかありますよね。
「これからどうなっちゃうのだろう」って、どんどん思っちゃって、苦しくなった時に、それを、大声で吐き出すとか。溜めない。
嫌な気持ちを、グッと一つの何か塊のように、体の中に置いて「ハッ!」ってね。出すっていうことをするんです。好きな音楽聴いて踊り狂うとか。

◆古村さん:
あと「嫌な言葉」とか浮かぶじゃないですか?心配事とか、思いっきり殴り書きをして、破って散らす。全部、それを行動で消え去るようにする。アクションを起こしますね。
それを全部、過去のものにしちゃったり、ここに「体には入れてない」っていう意識でやると楽になります。

嫌な気持ちを心に溜め込まず、常に吐き出していた古村さん。
しかし、再び病魔が襲ってきました。

◆古村さん:
2023年の1月に、また出てきちゃったんですね、がんが。
その時も、ずっと定期検診を受けていて、ちょっとマーカーの数値とか急に上がっていたので(医師から)「CT検査を受けてください」と言われて、PET検査を受けたその時に、またがんが再々再発。再燃と書いていたかな。

2023年1月
なんとまた新たに転移した「がん」が見つかり、現在も治療中だといいます。

◆古村さん:
治療できていて、ありがたいなと思っています。

記者:
今の古村さんの「生きがい」は?

◆古村さん:
そういうことを、考えないようにしているんです。今を生きていられれば。

記者:
今後やってみたいことは?

◆古村さん:
お芝居はちょっとしてみたいと思います。出来るようになりたいとは思います。
お芝居が出来るということは、それなりの体力と健康管理も出来なきゃ続けられないので、それが見通せる体作りができたらいいなと思っています。

古村さんは今、舞台復帰に向け、治療を続けています。

【担当:芸能情報ステーション】

  1. “冷戦終結後最大”米ロなど26人の囚人交換 バイデン大統領が緊急会見で成果誇る
  2. ハマス最高指導者は仕掛けられた爆発物で殺害 米紙が報道 遠隔操作で爆発
  3. 【速報】浴室で4歳と5歳の子ども含む3人が心肺停止 病院搬送も死亡を確認 現場から一酸化炭素を検出 川崎・高津区
  4. バドミントン山口茜、タイ選手に圧勝し3大会連続のベスト8! 準々決勝は世界ランク1位の強敵「向かっていくだけ」【パリ五輪】
  5. 松山英樹、8アンダーの「63」で単独首位の好発進 中島啓太は1アンダーの29位タイで初日を終える【パリ五輪】
  6. 柔道女子78キロ級 高山莉加 3位決定戦で敗退、日本柔道6日連続メダルならず【パリ五輪】
  7. 張本智和、世界王者との死闘に敗れ4強入り逃す...中国の樊振東に歴史的勝利目前も、フルゲームで敗れ呆然【パリ五輪・卓球】
  8. 平均気温過去最高 126年間で“最も暑い7月”に 猛暑による米不足続く…在庫は過去最少 「おひとり様1点まで」スーパーは購入制限 精米店は「もう2か月の辛抱」【news23】
  9. 米ロの間で“囚人交換” ロシアで拘束のアメリカ人記者も釈放
  10. 投資歴10年の男性「びっくりした」「きつい」 日経平均株価 一時1300円超下落  円高加速で輸出関連株などに売り注文【news23】
  1. 投資歴10年の男性「びっくりした」「きつい」 日経平均株価 一時1300円超下落  円高加速で輸出関連株などに売り注文【news23】
  2. 平均気温過去最高 126年間で“最も暑い7月”に 猛暑による米不足続く…在庫は過去最少 「おひとり様1点まで」スーパーは購入制限 精米店は「もう2か月の辛抱」【news23】
  3. 柔道男子100キロ級 ウルフ アロン 敗者復活戦で敗退、2大会連続メダル獲得ならず【パリ五輪】
  4. 張本智和、世界王者との死闘に敗れ4強入り逃す...中国の樊振東に歴史的勝利目前も、フルゲームで敗れ呆然【パリ五輪・卓球】
  5. 【速報】浴室で4歳と5歳の子ども含む3人が心肺停止 病院搬送も死亡を確認 現場から一酸化炭素を検出 川崎・高津区
  6. 神奈川・海老名市で乗用車とトラックが衝突する事故 トラックの運転手が死亡 乗用車が中央分離帯にぶつかり対向車線に飛び出したことが原因か 神奈川県警
  7. 住宅火災で1人死亡 一人暮らしの70代女性か 火は1時間後に鎮圧
  8. 【速報】乗用車が猛スピードで…神奈川・海老名市で乗用車とトラックが衝突 トラック運転手が死亡
  9. 【速報】「金がかかるからエサをあげなかった」 小型犬にエサや水あげない虐待行為で衰弱させる 元ブリーダーの男性(81)とその娘(40)を書類送検 埼玉県警
  10. 米ロの間で“囚人交換” ロシアで拘束のアメリカ人記者も釈放
  11. 柔道女子78キロ級 高山莉加 3位決定戦で敗退、日本柔道6日連続メダルならず【パリ五輪】
  12. 松山英樹、8アンダーの「63」で単独首位の好発進 中島啓太は1アンダーの29位タイで初日を終える【パリ五輪】
×