アメリカやロシアなど7か国で収監されていたあわせて24人の身柄交換が行われました。ロシアで拘束されていたアメリカ人記者や人権活動家らが釈放され、アメリカのバイデン大統領は緊急会見を開いて成果を誇りました。
アメリカ政府は1日、アメリカやロシアなど7か国で収監されていたあわせて24人の身柄交換が行われたと発表しました。
ロシアとベラルーシで釈放された16人の中には、▼ウォール・ストリート・ジャーナルの記者、エバン・ガーシュコビッチ氏や▼元アメリカ海兵隊員のポール・ウィーラン氏、▼ロシアの人権活動家のウラジーミル・カラムルザ氏、▼チェコのラジオ局の編集者アルス・クルマシェバ氏らが含まれています。
また、ロシアで政治犯として収監されていたロシア人やドイツ人も釈放されたとしていて、バイデン大統領は緊急の会見で成果を誇りました。
バイデン大統領
「今回の取り引きではロシアの政治犯も釈放されました。民主主義と人権のために立ち上がり、自国の指導層によって投獄された人たちです。アメリカは彼らの釈放も成し遂げました。それがアメリカという国なのです」
バイデン大統領は今回の身柄交換で協力を得たドイツやポーランドなどの関係国に感謝するとともに、「アメリカ第一主義」を謳うトランプ前大統領を念頭に、「世界で信頼できる友人を持つことがいかに重要かを示している」と強調しました。
一方で、今回の身柄交換では、アメリカなど5か国で収監されていたロシア人あわせて8人が釈放され、プーチン大統領がモスクワの空港で出迎えました。
アメリカとロシアの間の拘束者の身柄交換はおととし12月に、アメリカ女子バスケットボールのスター選手、ブリトニー・グライナーさんと、紛争地で武器を密売したとして「死の商人」と呼ばれていたロシア人のビクトル・ボウト受刑者の身柄交換が行われて以来とみられます。
一度に24人もの身柄交換が行われるのはきわめて異例で、アメリカ政府は「冷戦終結後、アメリカとロシアの間の最大の身柄交換」だとしています。