今回は、愛犬J.ラッセルのメグミが19才で亡くなるまで1度もお耳のトラブルに悩まされなかったユニークなお耳ケアをシェアします。
お耳のトラブルに悩むワンちゃんは想像以上!
私は1年に延べ3000頭以上のワンちゃんをケアするペットサロンでたくさんのワンちゃんを観察してきましたが、お耳のトラブルに悩むワンちゃんは全体の3割以上いました。そして、そのほとんどの子が何年も辛い症状に苦しんでいて、1生涯完治しなかった子も少なくありませんでした。
毎日ワンちゃんの体に触れて体験してきた実感からお話ししますと、できるだけ早期にケアできれば、大抵のお耳トラブルは悪化させずに済むと言えます。
Webではよく『耳のトラブルを悪化させないためには日頃からお耳のチェックを』などと解説していますが、お耳の微妙な変化を発見して適切に処理することができますか?なんとペット保険の治療費申請は、お耳関連がTOP3に入っているそうですが、これはお耳トラブルを初期段階でケアできていないことを物語っていますね。
ワンちゃんのお耳の中をジャブジャブ洗う
今回ご紹介するお耳ケアの方法とは、シャンプーをお耳の中に注入して漬け置きの状態のまま体をシャンプーし、最後にシャワーの水流ですすぐというものです。
私たちが耳洗浄を取り入れたのは、トリマーが勤めていた動物病院で獣医師の指示のもと耳洗浄を実践しており、この獣医師が耳の洗浄が有効と判断されていたからです。
その後私たちは、30000頭以上、様々なお耳トラブルをもつワンちゃんに耳の洗浄を実施してきましたが、問題はただの1件も起こっていません。
19年も病気とは無縁だったメグミのお耳洗浄とは?
それではお耳洗浄の手順を具体的に解説します。使用するのはコロイド粒子配合の純植物性石鹸シャンプーです。
↓↓↓ 耳洗浄の動画はこちら ↓↓↓
<解説>動画では洗浄からすすぎまでを一連でご紹介していますが、実作業では耳の洗浄後はすすがず、漬け置きの状態で体のシャンプー作業を終え、最後にお耳をすすぎます。
<注意>この方法を実践するには、鼓膜に異常がないことを必ず事前確認してください。
先ずはお耳を垂直に引っ張り上げ、穴が上を向く状態にしてシャンプーを挿入します。
耳の先端を垂直に持ち上げたまま耳の付け根をつまみ、クチュクチュと音がするくらいの強さでマッサージしてシャンプー剤を耳道の隅々にいきわたらせます。この時、鼓膜が破れていると内耳炎の恐れがありますので事前確認をお忘れなく。
耳の内側が汚れていれば、シャンプーを追加して手のひらで挟んでゴシゴシ洗いをします。
ここまでの作業が終わったら、耳は漬け置きのまま最後まですすがないでください。
石油系洗浄剤のシャンプーを使って耳洗浄をする場合は、耳道に洗浄剤が浸透する前にここですすがねばなりませんが、純植物性石鹼シャンプーは肌への浸透が止まりますので心配いりません。
なぜシャンプーを漬け置きするのか?
なぜ耳を漬け置きにしたままにするのかを解説します。
純植物性シャンプーの中にはコロイド粒子がたくさん入っていて、特有の振動運動で汚れをバラバラにして浮き上がらせる働きをします。綿棒では届かないところまできれいにしてくれるナノロボットのようなものです。
お耳トラブルの多くは菌類による炎症ですから、菌類と汚れ(エサ)をできるだけたくさん浮き上がらせて除去することが肝心なので、漬け置きの時間が大事なのです。
最終工程。全身をすすいだ後で最後に耳の中をすすぎます。
↓↓↓ すすぎ方の動画はこちらから ↓↓↓
ポイントは、シャワーヘッドを持っている手の人差し指で耳の側端を挟み込んで固定すること。固定すると反対の手がフリーになり、耳の根元をマッサージして浮き上がった汚れや菌類を水流で全て洗い流すことができます。
さてこれで全作業は終了ですがイメージできたでしょうか?
お耳洗浄の効果は?
まず、耳の中がほぼ無臭になります。そしてもう一つの効果ですが、これが最大のメリットかもしれません。
お耳のトラブルは初期対処が大事と前にお話ししました。私の愛犬メグミは生後3ヵ月で家族の一員になりましたが、最初のシャンプーから19年間シャンプーの度にお耳を洗浄しており、これがお耳のトラブル予防にとても有効だったのです。
お耳の初期異常は簡単に見つけられませんが、シャンプーの時必ず耳洗浄ができれば、お耳トラブルの初期対処は無理なくできるようになります。
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