千葉県沖で一時漂流していた高速ジェット船「セブンアイランド愛」。22時間ぶりに乗っていた121人全員が伊豆大島に到着、無事が確認されました。船内の映像を撮影した乗客の一人が語った「恐怖」とは。
【写真を見る】“生還”すると妻は「泣きじゃくっていた」一時漂流の高速ジェット船 乗客が語る“恐怖”22時間ぶりに陸に【news23】
海に22時間、乗客語る「恐怖」
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「本船の右側に巡視船が到着しまして、これよりこの船を引っ張る曳航作業の準備を行います」
大きく上下に揺れる船内。窓の外には海上保安庁の巡視船が見えます。
乗客
「一歩間違えると、言いたくはないし思いたくもないけれど、全員死んでいたと思う」
24日に航行不能となり一時漂流した、高速ジェット船「セブンアイランド愛」。
東京の竹芝桟橋を出発し、式根島に向かう途中、千葉県野島崎沖で舵がきかなくなり漂流。船内には子ども4人を含む乗客乗員あわせて121人が乗っていました。
その後、海保の巡視船などが伊豆大島に向けて曳航。ロープがスクリューに巻き込まれるなどのトラブルもありながら、25日朝…
記者
「長時間、曳航されてきた船がようやく到着しました」
出発から22時間が経過していました。
乗客
「停まっている間は揺れがすごくて、うちの子も妻も何回も吐いてしまって。周りの方もずっと吐いてる、すごい光景でしたね」
「生きて帰れるのかなって思うぐらい揺れていて、ひっくり返るんじゃないかなと思いました」
体調不良者が続出していた船内。海上保安庁の特殊救難隊が乗り込み、対応していたといいます。その傍らには横になっている人も。
乗客
「一番ひどかった方はタグをつけられていた。その方は脈も早くて少し手足のしびれもあったみたい。問診しつつ何かの治療をしていた」
その後、海上保安庁のヘリなどから物資が到着。121人が乗っていたジェット船に、水やおにぎりなどが運び込まれました。
海の上での22時間。乗客の1人はこんな恐怖を感じたと言います。
乗客
「ジェット船ってWi-Fi環境がない。22時間連絡が取れないのはすごく恐怖。朝早かったので、妻に『いってきます』の挨拶ができなかった、妻寝てたので。さっき帰ってきて(妻が)泣きじゃくっていた『よかった』って。心配かけたなって、東海汽船頼むよって感じですよね」
ジェット船を運航する東海汽船は「ご利用のお客様には大変ご迷惑をお掛けいたしましたことを深くお詫び申し上げます」としています。