■パリオリンピック™ 開会式(現地時間26日 フランス・パリ)
【写真を見る】聖火は気球でパリの夜空へ 雨天も幻想的演出の開会式 セリーヌ・ディオン“愛の讃歌”でフィナーレ、旗手の半井「本当に楽しかった」
パリ五輪の開会式が行われ、17日間の大会がいよいよ開幕。
夏季大会として史上初めてスタジアムの外での開会式となり、パリ中心部を流れるセーヌ川を舞台にさまざまな演出と映像でセレモニーが続いた。各国選手団がセーヌ川を“船上パレード”で行進し、米人気歌手レディー・ガガのパフォーマンス、橋の上で“パリコレ”が行われるなどセーヌ川全体が“ステージ”として観客を魅了した。
パレード後はエッフェル塔前のトロカデロ広場で式典が続き、IOCのバッハ会長らが挨拶をするとフランスのマクロン大統領が開会を宣言。その後フィナーレに向かい、サッカー元フランス代表のジネディーヌ・ジダンが登場し、謎の“覆面男”から聖火を受け取るとテニス元世界ランク1位のラファエル・ナダルへ渡された。会場が暗くなり、エッフェル塔が光の演出に包まれパリ市内を照らすと、聖火を持ったナダルがボートに乗り、陸上で金9個の記録を持つカール・ルイス氏らと共にセーヌ川を移動。船はルーブル美術館付近に到着し、聖火はフランス出身のアスリートらにより陸路でつながれた。
すると敷地内の庭園に巨大な気球が登場。聖火リレーの最終走者は柔道男子100キロ超級でロンドンとリオ五輪金メダリストのテディ・リネール氏と、陸上女子200m・400mで3個の金メダルを獲得したマリー・ジョゼ・ペレク氏。2人が聖火となる気球の土台に火を灯すと、燃え上がった気球状の聖火台が空中へ。そのまま夜のパリ上空に舞い上がると、エッフェル塔では世界的人気歌手セリーヌ・ディオンが登場し、シャンソンの名曲「愛の讃歌」を熱唱。1996年のアトランタオリンピック以来、28年ぶりの五輪でのパフォーマンスとなり、開会式は感動的なフィナーレを迎えた。
オープニングからあいにくの雨模様だったが、“水上行進”で日本選手団は93番目に紹介され、旗手の江村美咲(25)とシゲキックスこと半井重幸(22)らが船上から声援に応えた。
江村は「この天気の中にも関わらず、川沿いから⽇本、そして世界中のたくさんの⽅々が応援を送ってくださっていたので、その瞬間を⾒逃さないように、⼀⼈ひとりの顔を⾒る気持ちで船に乗っていました」とパレードを振り返り、半井は「まずは本当に楽しかったです。セーヌ川を船で渡るという、これまでにない特別な形での開会式でしたが、⾬が降ってくるというハプニングでさえもドラマチックで、⼀つのエンターテインメントとして、また特別感が出たと思います」と貴重な開会式を堪能したようだ。