著名な作家マーク・トウェインは、大の猫好き。多いときには19匹もの飼い猫がいたといいます。彼の猫に対する愛情と尊敬は、周囲の人々を驚かすほど強いものでした。
猫を崇拝した作家
著名な作家マーク・トウェインは、子供のころから猫が大好きで、崇拝するほど尊敬してました。
「もし人間と猫の間に混血の子供が生まれたら、人間としての能力は向上するだろうけれど、猫としては劣ってしまうだろう」とまで書いたほどです。
「トウェインが一度に19匹もの猫を飼っていた」ことをウェブサイトの「Mental Floss」上 で紹介したのはLivius Drusus氏です。
それによると「彼の猫への愛情は、人間に対してよりもずっと深かったし、猫を尊敬していたのです。しかも飼い猫たちには、Apollinaris(キリスト教のアポリナリス主義)、 Beelzebub(魔王)、Blatherskite(おしゃべり)、 Buffalo Bill(西部開拓時代のガンマンの名)、Satan(悪魔)、 Sin(罪)、Sour Mash(ウイスキー蒸留に使う酸味のあるもろみ)、Tammany(ニューヨーク市の民主党。のちに政治的腐敗を意味した)、Zoroaster(ゾロアスター教)、Soapy Sal(ゴマすりサルちゃん)、 Pestilence(疫病)などといった、奇妙な名前をつけていた」というのです。
旅行中も猫を「レンタル」
トウェインはまた、自分の小説にも猫を登場させていました。
「National Portrait Gallery」誌によると、有名な作品のいくつかに猫がゲスト出演しています。たとえば「トム・ソーヤーの冒険」にはPeterという猫が出てきますが、このモデルは大勢の飼い猫のうちの1匹だったといいます。
私生活では、愛猫たちを自宅に残して旅に出かけているときも、代わりの猫を借りるほど猫好きだったといいます。
「もっとも有名なエピソードは、1906 年にニューハンプシャー州Dublinでのことです。トウェインの伝記を書いたAlbert Bigelow Paineは、彼が夏の間3匹の子猫を借りて一時住まいをしていたところに居合わせました。
彼によると、猫のうち1 匹はSackcloth(貫頭衣)と呼ばれており、ほかの2匹は外見がそっくりだったため、まとめてAshes(燃えがら)と名づけられていたそうです。トウェインは飼い猫を連れて旅をすることができなかったので、代わりに別の猫を借りていたのです。そして家に残った9 匹の猫のため、お金を払って世話をする人まで雇っていました」とNew England Today紙上で書いているのはMack Hitch 氏です。
名文で「行方不明の愛猫」探し
当時Albert Bigelow Paine氏は、トウェインがどれほど猫を尊敬しているかがわかる光景を目撃しました。
「ある時、彼が網戸を開けようとしたとき、2匹の子猫が走ってきてそばで立ち止まりました。すると彼は、うやうやしくお辞儀をして、ていねいに網戸ドアを開け、後ずさりしてこういったのです。『紳士諸君、どうぞお先にお進みください。私はいつも猫様を優先しております』と」(Mack Hitchの記述より)
飼い猫の中で、とりわけトウェインが愛したのは、もともと娘Claraが飼っていた猫の Bambinoでした。あるときこの猫が行方不明になると、トウェインは自分の文章力を使って見つけようとしました。
彼はNew York American紙に広告を出し、「行方不明の猫をニューヨーク市の5番街21番地にある自宅に返還してくれたら、5ドルの報酬をお出しします。この猫は大きくて真っ黒です。ふさふさのベルベットのような毛並みで、胸毛にはかすかな白い縁取りがあります。でも普通の光の下では、まったくわからないほどかすかなのです」という芸術的な短文を載せています。
広告を見たたくさんの人々が、似たような猫を連れてきたそうです。しかし結局、Bambinoは自力で自宅に戻ってきました。トウェインは大喜びしたことでしょうね。
出典:Mark Twain Liked Cats Better Than People
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