自民党の広瀬めぐみ参議院議員が、働いている実態がないのに、秘書の給与を国からだまし取っていた疑いで東京地検特捜部の家宅捜索を受けました。強制捜査を受けて、広瀬議員は自民党に離党届を提出し受理されました。
【写真を見る】秘書の給与詐取疑惑めぐり広瀬めぐみ議員が自民党を離党 過去には“不倫報道”で謝罪も【news23】
公設第二秘書 “勤務実態なし”で国からの給与をだましとったか
自民党 広瀬めぐみ 参院議員(7月30日午前11時ごろ)
「またしっかりと説明させていただきます」
「しっかりと説明する」という言葉を残し、自宅に入っていった自民党・広瀬めぐみ参院議員(58)。詐欺の疑いで東京地検特捜部の家宅捜索を受けました。
自宅だけでなく、議員会館の事務所や地元・盛岡市の事務所などでも強制捜査が一斉に始まりました。
関係者によると、広瀬議員の事務所では2022年から2023年まで、公設第一秘書の男性の妻を公設第二秘書として届け出ていましたが、勤務実態がないにも関わらず、国からの給与、数百万円をだましとった疑いがあるということです。
2024年3月、週刊誌が公設第二秘書の給与をめぐる疑惑を報じた際、広瀬議員は「秘書としてリモートワークのほか、 駅への送迎などをしてもらっていた」と反論していました。
広瀬めぐみ議員
「目に留まりにくい活動が中心とはいえ、公設第二秘書としてしっかり勤務実態があったことに間違いありません」
午前中、説明すると話した広瀬議員でしたが…
記者
「午後8時をすぎました。広瀬議員は、自宅に入っていったきり姿を現していません」
強制捜査を受け、広瀬議員は自民党に離党届を提出し、30日に受理されました。
広瀬議員は、2022年の参議院選挙で初当選しました。
2024年2月には、サックス奏者の50代男性との不倫疑惑が週刊誌に報じられました。
広瀬めぐみ 参院議員(2024年3月)
「相手の方との関係については報道されている通り、事実でございます。お詫びの言葉もございません。誠に申し訳ございませんでした」
このとき「信頼を取り戻すために誠心誠意努めていく」と話していた広瀬議員に持ち上がったのが”公設秘書の給与詐取の疑い”です。
特捜部はすでに事務所関係者を聴取していて、押収した資料をもとに、実態解明を進めるものとみられます。
「勤務実態も含めてオープンに」情報公開の仕組み作りが急務か
小川彩佳キャスター:
「政治とカネ」に非常に厳しい目が向けられ続けている中で、こうした問題が出てきました。
早稲田大学教授 澤康臣さん:
秘書給与詐欺は、20年くらい前に一つ山があったと記憶しています。容疑の段階とはいえ、その問題がまた出てきたというのは、がっかりというか、驚きますね。
秘書の勤務実態があったかどうかは、水掛け論になりやすいです。広瀬議員は「働いていた」と主張していますが、勤務実態はないとみられています。勤務実態も含めてオープンにして、情報公開していく仕組みが必要です。
議員は、企業や団体からの働きかけを受けるわけですが、日本では情報公開はされてません。公開している国は多いです。明らかにしていれば、こういう問題が起こりにくくなるのではないかと思います。
小川キャスター:
確認して、検証できるようにしていかなければならないですね。
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<プロフィール>
澤康臣さん
早稲田大学教授 元共同通信記者
パナマ文書報道など数多くの調査報道を行う