確かに、暴れてシャンプーさせてくれないワンちゃんはいます。足先を触ると噛み付いてきたり、シンクから飛び出そうとする暴れん坊もいます。でも、どんなにシャンプーを嫌がる子でも「キレイになればみんな喜んでるんだ」と思っていました。今回はそんなこと大間違いだと、激痛とともに思い知らされたエピソードをシェアします。
ワンちゃんは不安で怖がっている
その日「この子初めてのシャンプーで、ふだんから嫌なことがあるとすぐ噛み付くから心配だって飼い主さんが言ってましたよ」と言いながらスタッフがM・ダックスを連れてきました。
とても忙しい日でしたし、M・ダックスなんて大したことないだろうとナメてましたから、さっさと抱き取ろうとした瞬間、右手をガブリ、咄嗟に手を引っ込めたら親指の爪に歯が貫通していて爪が裂けてしまいました。何とか仕事を続けようと応急処置をしましたが、結局その日の仕事はできず、痛さとショックで重度のヘコみ状態のまま半日いろいろ考えました。
「お尻の方から抱き取るのがセオリーだったけど、前からいっちゃったなぁ…」
「でも、なんであんなに激しく反応すんだろ?攻撃されると思ったのかなぁ?」
「シャイな性格で、人間は噛みつけば言う事聞くって学習してきたのか…」
「でも、イヤがる子も、何度か来るうちに少しづつおとなしくなるぞ?」
「何度も来るうちに、ここはこんなことするんだって覚えていくんだろうな」
「ということは、“な~んだ、たいしたことないや!”と記憶に残りゃいいのか?」
と、ここまで考えたとき、「お迎えの時にはしゃいでたのは、キレイになって喜んでたんじゃなくて、ここから解放されるのが嬉しかったんだ!」と、やっと気付いたんです。 犬の気持ちも考えずに仕事をしてたんですから噛まれるはずです…
犬が嫌がるトリミング工程トップ5
犬はトリミングが始まると、激しく抵抗する子と、嫌々受け入れておとなしく耐える子に分かれます。どう反応するかには、その子の性格と記憶が反映します。ペットサロンの入り口で足を踏ん張って入店を拒絶する子には、ペットサロンでの嫌な記憶があるはずです。
ではトリミング中に嫌な記憶として残ってしまう瞬間をイメージするために、犬が嫌がる工程トップ5を挙げてみましょう。
- 足先の洗浄
- 耳掃除
- 耳の毛抜き
- 指間の毛のカット
- 爪切り
この5項目が好きな犬はいません。ですが、いくら嫌がられても大事な工程ばかりですから、プロトリマーは経験と努力で作業をこなすのですが、嫌な記憶として残る可能性は高いのです。
犬に嫌な記憶を残させないためには?
犬に嫌な記憶を残させないためには、できるだけ早く作業を終えて解放してやることしかないのですが、残念ながら、全ての工程は大幅な時短が不可能だと、どんなトリマーも認めています。
でも、シャンプー作業だけは半減以下に時短できます。つまり、トリミングにおいて犬を劇的に早く解放できる可能性はシャンプー作業にしかありませんが、多くのトリマーはこれを信じません。
犬のシャンプーはほとんどの場合2回~4回行われますが、そうなる最も大きな理由は、汚れが落ちないからで、汚れが落ちなければカットがキレイに仕上がらないからです。つまり、シャンプーの洗浄力に大きく影響されています。
シャンプー作業を半分に時短
世の中に存在する洗浄剤のほとんどに石油を精製して作られる洗浄剤が使われていることは周知の事実ですが、浸透性のために洗浄力をあまり上げられないことはあまり知られていません。ペットの薄い肌には特にこの影響が顕著ですから、2回~4回と複数回シャンプーしないと汚れが落とせないほど洗浄力の低いものがほとんどです。
ただ、肌への浸透をクリアする純植物性のシャンプーだけは別です。それは、肌にダメージを与えないので洗浄力を落とす必要がなく、高い洗浄力を生かしてシャンプー回数を半減でき、洗浄時間も大幅に短縮できるんです。
純植物性シャンプーを使うようになってから、チワワやダックスのシャンプー時間は20分から5分に短縮できました。5分でもキチンと汚れが落ちるのでドライングは30%時短でき、消臭期間は1ヵ月ほどに伸びました。
おかげさまで、忙しくても余裕をもってワンちゃんに対応できるようになって、あれからは、噛み付かれてへこむような事件は起こりませんでした。
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