「“最後の晩餐”を連想させキリスト教を嘲笑」パリ五輪の開会式の演出に批判が収まらず

TBS NEWS DIG Powered by JNN
2024-08-05 16:59
「“最後の晩餐”を連想させキリスト教を嘲笑」パリ五輪の開会式の演出に批判が収まらず

『最後の晩餐』のパロディーだと物議を醸したパリオリンピック™の開会式の演出は1週間が過ぎた今も批判が収まりません。検察が捜査を開始する事態にまで発展しています。

問題となったのは、先月26日のパリオリンピック開会式後半。派手な女装姿の「ドラァグクイーン」らが並んでいます。

これが、イエス・キリストと使徒たちを描いたレオナルド・ダ・ヴィンチの『最後の晩餐』を連想させ、キリスト教を嘲笑している、と国内外のカトリック系団体などから批判が相次ぎました。

3日には、ローマ教皇庁が開会式の具体的な場面には言及していないものの、「いくつかの場面に悲しみを覚える」とする声明を発表し、不快感を表明する異例の事態になっています。

4日、パリでミサに参加した人たちに話を聞いてみると…

ミサに参加した人
「信者にとって衝撃的な内容でした」
「表現の自由には賛成しますが、人を傷つけたり、からかったりするのに使うのは良くないことです」

IOC=国際オリンピック委員会は「いかなる宗教団体に対しても敬意を欠いたものにする意図はなかった」としたうえで、謝罪。

一方、フランス紙「パリジャン」などによりますと、開会式の芸術監督トマ・ジョリ氏は、自身が性的マイノリティーであることを理由に殺害を予告する脅迫を受けたと訴えていて、パリの検察当局は捜査をしています。

パリ五輪開会式の芸術監督 トマ・ジョリ氏
「私たちのアイデアはとてもシンプルなものです。とにかく、この素晴らしい多様性の中で、すべての人を受け入れたいと思っただけなのです」

ジョリ氏は、着想は『最後の晩餐』から得たわけではないとし、「オリンポスの神々に関連づけた異教徒の祭りを描くというアイデアだった」と説明しています。

開会式に出演したドラァグクイーンのパフォーマーはロイター通信の取材に対し、「性的マイノリティーへの拒絶によるものだ」と話しています。

ドラァグクイーンパフォーマー ヒューゴ・バルダン氏
「問題にされているのは、絵画が再現されたことではありません。人々が嫌な思いをしているのは、演じているのが性的マイノリティーの人だということです」

今回の騒動について、パリ市民は…

開会式の演出を支持する人
「フランスでは誰でも自分らしく生きることができるし、それをよく表現したと思います」

開会式の演出を支持しない人
「あれは(キリスト教への)冒涜です。笑ってはいけません」

パリの街を舞台にするという前例のない開会式。波紋は1週間が過ぎた今も広がっています。

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