この3連休も猛烈な暑さが続き、台風の動きも心配です。三ヶ尻知子 気象予報士が解説します。また南波キャスターが、目の前の人が熱中症で倒れたときに備え、簡単に大人を運ぶ方法を紹介します。
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目の前で熱中症…どう対応? まだまだ暑い“お盆休み”
三ヶ尻知子 気象予報士:
台風5号は、日曜日から月曜日にかけて北日本に上陸する恐れがあります。南の海上に“モンスーンジャイア”と呼ばれる、大きな渦の循環があり、台風が発生しやすい環境になっています。
2016年もモンスーンジャイアが発生して、8月に7個も台風が発生しました。その時と同じような状況になっているため、南の海上から目が離せない状況が続きそうです。
台風の進路ですが、この後も発達を続けながら北上し、10日には強い勢力にまで発達する見通しです。
今、海水温が三陸沖で平年より4℃ほど高くなっている状況です。そのため、勢力があまり衰えないまま東北地方に上陸する恐れがあります。
進路図にある予報円の中心線を通るとは限りません。一番南のコースを通った場合は、関東にも直接的な影響が出てくるかもしれません。今後の情報をチェックしていただきたいと思います。
雨と風の予想を見てみますと、11日の午後から台風本体の雨雲がかかり始めて、11日〜12日は東北地方を台風本体が直撃する形になるため、雨風が強く非常に荒れた天気になりそうです。
さらに気温の高い状況も続き、名古屋では38℃、東京も11日は37℃と猛烈な暑さもしばらく続きそうです。
南波雅俊キャスター:
熱中症に注意が必要です。東京歯科大学市川総合病院の寺嶋毅医師によると「旅行・帰省などで疲れやすいお盆休みは熱中症に要注意」ということです。
もしも目の前の人が熱中症で倒れたら?簡単に大人を運ぶ方法を紹介
南波キャスター:
もしも、目の前の人が熱中症で倒れたら、どうしたらいいのでしょうか。
まずは、意識があるか確認することを最優先にしてください。寺嶋医師は「名前などを呼びかけて受け答え出来るかが重要」と話します。はっきりと答えられない場合は、ためらわず救急車を呼んでください。
そして、涼しい場所に移動させることも非常に重要です。それほど力を要さずに運べる方法を、ひなた在宅クリニック山王の田代和馬医師に聞きました。
①足をクロスする
②上体を起こす
③右腕を曲げて胸の前に
④脇から手を入れ引っ張る
まず、足をクロスさせることで摩擦する場所が減り運びやすくなります。
そして頭側に回って首の後ろを押さえながら上体を起こします。膝で上体を支えることで、体が重くても支えになります。
右腕を曲げて胸の前に置き、脇から腕を入れることで上体をホールドできます。
もし緊急の状況で何とかしなくてはいけないときには、こういった方法も一つヒントになるかもしれません。
山内あゆキャスター:
倒れている人を引っ張るとなると、抱えてしまいそうです。
東京大学准教授 斎藤幸平さん:
正しい情報を知っておかないと、いざという時に助けることができません。練習もしておかないといけないです。
南波キャスター:
脇から腕を入れて上体をホールドすると、抜けにくくなる感覚もあるので運びやすくなります。ただ、移動させられない時は助けを呼ぶようにしてください。
水は飲ませて大丈夫?
南波キャスター:
さらに、水が飲めるようなら飲ませるようにしてください。ただ、無理に飲ませると誤嚥に繋がる危険性もあるので注意が必要です。とにかく水分を取らせることが大事なので、水や経口補水液が理想ですが、コーヒーや炭酸飲料などのジュースでも構いません。
山内あゆキャスター:
お出かけに水筒などが欠かせなくなってきました。
東京大学准教授 斎藤幸平さん:
自分は対策していると思っていたとしても、暑さ自体が我々の常識を超えてくるような異常な暑さが普通になってきているので、誰しもが熱中症になる危険性があるということを常に意識して、多めの水を取る必要があります。
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<プロフィール>
斎藤幸平さん
東京大学 准教授 専門は経済思想・社会思想
著書『人新世の「資本論」』50万部突破