日本の焼き鳥チェーンの鳥貴族が韓国で初店舗を来月下旬にオープンさせることがわかりました。“日本外食チェーンの墓場”とも呼ばれるほど進出が難しい韓国市場ですが、勝算はあるのでしょうか?
【動画】【独自】「鳥貴族」が韓国初進出 日本外食チェーンの“墓場”…韓国市場での勝算は?
記者
「鳥貴族の黄色い看板がいま、韓国1号店にかけられようとしています」
若者が集まる街・ソウルのホンデ。「鳥貴族」による韓国初進出に向けた準備が進められています。
鳥貴族コリア 筒井信人 代表
「カウンター席なので一人でも食べていただけるような席になっている」
関係者によりますと、グランドオープンは来月28日で調整しているということです。
韓国で鳥貴族と言えば、SNSの投稿。K-POPグループ「SEVENTEEN」のメンバーたちが日本を訪れた際に3日連続で通ったことでも知られています。
韓国から日本を訪れる観光客にも人気のお店ですが、なぜこのタイミングで進出するのか?
記者
「鳥貴族はコスパの良さを武器に店舗数で国内トップの居酒屋チェーンに成長しました」
親会社の今年7月期の決算では、最終利益が過去最高を更新することが見込まれています。そんな業績好調な今、挑むのが…
エターナルホスピタリティグループ 大倉忠司 社長(5月)
「世界に日本の焼き鳥文化価値を広げていきたいと考えております」
海外進出により新たな成長に繋げたい考えです。しかし、一筋縄ではいかないのが韓国。サムゲタンなど豊富な鶏料理が焼き鳥の手強いライバルとなります。
さらに、日本の外食チェーンの「墓場」と呼ばれるほど攻略が難しいのが韓国市場。コスパや味付けなどが浸透しなかったとみられ、「ほっともっと」や「吉野家」などが次々と撤退に追い込まれました。「丸亀製麺」の撤退には、2019年に起きた日本製品に対する不買運動などが影響したとみられます。
しかし、その韓国の飲食業界に大きな変化が…
記者
「2年前に今の尹政権が発足してから日韓関係の改善が進み、日本風の飲食店が急増しています」
日本に旅行する人が増えたことで、本格的な味が求められようになったとも言われています。さらに物価が高騰し、低価格の外食店に人気が集まっていることも鳥貴族にとって追い風となりそうです。
市民
「以前に比べて物価が上昇しました。(外食は)もう少し安くなってほしい」
「(飲食店は)コスパ重視で探します」
関係者によりますと、価格は一品4900ウォンほど、日本円で500円前後で調整。
鳥貴族コリア 筒井信人 代表
「リーズナブルな価格のマーケットを狙うべきだと思っていて、気軽に食べられる焼き鳥店が今はない。そこに鳥貴族が入る絶好のチャンスだと思っている」
日本の外食業界にとっては韓国進出の試金石になる鳥貴族の動向が注目されています。