ネコと言ってもその種類は様々。人間と一緒に暮らしているイエネコ以外にも、世界にはいろいろなネコ科の動物が生息しています。今回は、イエネコそっくりな「小型の野生ネコ」たちを紹介します。
1.スナネコ
イエネコと似ているネコ科の動物として、まず挙げられるのが「スナネコ」です。
スナネコは主に中東やアフリカなどの砂漠地帯に生息している動物で、その可愛らしい外見から『砂漠の天使』と呼ばれることもあります。
スナネコは体つきは小柄ですが、もふもふで大きな耳を持っています。その耳にたくさん毛が生えているのは、砂が耳の中に入らないようにするため、と言われています。体毛も砂漠にあったクリーム色で、「スナネコ」と呼ばれるだけあり砂漠地域に適応した体つきとなっています。
ただし、スナネコは見かけの可愛らしさによらず、実は非常に攻撃的な性格の持ち主です。爪や牙も鋭く、うかつに近寄ると下手したら大けがを負わされてしまうことも十分あり得ます。そのため、基本的には個人での飼育は難しいでしょう。
スナネコは、那須どうぶつ王国や神戸どうぶつ王国など、日本の一部の動物園でも飼育されています。スナネコに会いたいときは、飼育展示されている動物園を訪れましょう。
2.マヌルネコ
「マヌルネコ」は、シベリア南部から中央アジアの砂漠・岩石地帯に生息しているネコ科の野生動物です。
体の被毛は寒さから身を守るため厚く生えており、岩陰から覗きやすいように目の位置も高めです。サイズはイエネコと同じくらいで、小型の鳥類やげっ歯類を狩って生息しています。ちなみに「マヌル」とは、モンゴル語で「小さなヤマネコ」という意味だそうです。
マヌルネコもスナネコ同様、凶暴な野生動物であり、警戒心も強め。動物園の飼育員ですら直接触れることはそうそうできないとされています。
そのため、こちらも一般家庭での飼育は困難です。日本では神戸どうぶつ王国、上野動物園で飼育展示されています。
3.ツシマヤマネコ
「ツシマヤマネコ」は、長崎県北部、対馬に生息している日本固有のネコ科動物であり、国の指定天然記念物でもあります。約10万年前、大陸と陸続きだったころに渡ってきた動物だといわれています。
体のサイズはイエネコと同じくらいで胴長短足、耳後ろの白い斑点、太くて長い尾が特徴です。
このツシマヤマネコは、絶滅が危惧されている指定天然記念物であるため、当然個人の飼育は不可です。日本では東山動植物園、福岡市動物園などで飼育展示されています。
4.イリオモテヤマネコ
「イリオモテヤマネコ」も、日本固有のネコ科の動物で、沖縄県の西表島にのみ生息しているヤマネコです。その希少性から国の特別天然記念物に指定されており、絶滅も危惧されています。
その特徴はツシマヤマネコと似通っており、胴長短足、耳後ろの白い斑点、太くて長い尾を有しています。
加えて、イリオモテヤマネコの場合は、目のまわりに白い線のような模様が確認されます。
残念ながら日本ではイリオモテヤマネコの飼育展示を行っている動物園がありません。基本的には会えない動物だと思いましょう。
まとめ
今回は、イエネコとよく似ている「小型の野生ネコ」について解説しました。
今回紹介した種類以外にもイエネコそっくりなネコ科動物は多数存在します。しかし、いずれも凶暴性を残した野生動物たち。人間と共存するようになったイエネコとは違った動物ですので、基本的に個人の飼育はできません。
もし興味があれば、動物園に会いに行ったり、インターネット上の情報等を確認するようにしましょう。
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