樹齢3000年の屋久杉が真っ二つに…「台風10号」各地で爪痕 熱帯低気圧になっても関東・東北で大雨【news23】
各地に録的な大雨をもたらした台風10号。住宅への浸水や土砂災害など大きな爪痕を残しました。世界自然遺産の鹿児島県・屋久島では、樹齢3000年の屋久杉が真っ二つに。観光への打撃も懸念されています。
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稲光とともに激しい雨が降りつけていたのは、群馬県伊勢崎市です。
前橋市でも稲妻が走り…道路から泥水が噴き出す様子も確認できます。
高崎市では、台風のような激しい風と横殴りの雨が…。
撮影者
「大丈夫かな、動くと思う？怖い。冠水してる」
別の場所では、道路が冠水して川のようになっています。車は水しぶきを上げ、走っていきます。
激しい雨は、東北でも…
地面を打つ雨音が響いていたのは、福島県内のサービスエリアです。
台風10号は1日、熱帯低気圧に変わりましたが、台風10号が運んできた湿った空気の影響で、北関東や東北地方では2日も大雨となりました。
およそ1週間にわたり日本列島に大雨を降らせた台風10号。
各地にその爪痕を残しています。
静岡市では山の斜面が崩落し、イチゴのビニールハウスを直撃。
2日、県や市の職員が現地調査を行いました。
記者
「静岡市清水区の寺です。このあたり晴れていますが、土砂で倒された墓がそのままの状態になっています」
また斜面が崩れ、およそ50基の墓が被害を受けた鉄舟禅寺でも現地調査が行われましたが、復旧作業開始のめどはたっていません。
カメラマン
「岐阜県池田町の上空です。あたり一面が水に浸かっています」
台風10号では、浸水被害も相次ぎました。 先月31日、岐阜県では杭瀬川などが氾濫。 池田町や大垣市などで住宅への浸水や、道路が冠水する被害が出ました。
先週金曜日の神奈川県平塚市。この日、8月の観測史上最大となる雨が降りました。
記者
「完全に道路が冠水してしまい、車が立ち往生しています」
市内いたるところが冠水。多くの車が被害を受けました。一時、水没してしまったというこちらの車は…
車が水没した男性
「メーカーの方に電話をしたら、もう動かさないでほしいと。このままにしてほしいということだったので。仕事がまた始まるので、車がないと移動に非常に困ってしまう」
2日、対応に追われていたのは、ロードサービスを行う業者です。
緊急レッカー隊 東名小田厚支社 木村崇彦さん
「完全にいってますね、オンにならない。たぶんハンドルも」
水に浸かってしまったという車は、動かなくなっていました。
緊急レッカー隊 東名小田厚支社 木村崇彦さん
「今もう完全に電気が死んでいる。バッテリーがダメなのか、完全にオンにならない状態」
持ち主によると、隣を流れる川が氾濫し、車が水没してしまったといいます。
車の持ち主
「（車の）中を見たら、びっしょびしょに濡れちゃって。エンジンはかからないわ。これはどうしようもないと思って諦めました」
ボンネットを開けると…バッテリー部分まで水に浸かったことがわかります。
こちらの業者には、これまで100件以上の問い合わせが来ているといいます。
緊急レッカー隊 東名小田厚支社 木村崇彦さん
「いや、もう本当にびっくりするほど。ずっと朝から事務所で電話が鳴りっぱなしなので。どうしてもやり切れるのとやり切れないのがあって、現在でも50～60件ぐらいは作業をしている状態」
世界自然遺産の鹿児島県・屋久島は、叩きつけるような暴風雨に見舞われました。
屋久島ガイドオフィス山岳太郎 渡辺太郎さん
「今回の風は、今までの台風の中でもトップクラスに強い感じがして、家の中でも恐怖」
現地ガイドを務める渡辺さん。台風が過ぎた土曜日、異変に気づきました。
屋久島ガイドオフィス山岳太郎 渡辺太郎さん
「駐車場から弥生杉を見た時に弥生杉が見えなくて、近づいたら倒壊していた」
弥生杉は、樹齢3000年を超える屋久杉で、島のシンボル的な存在。それが、今回の台風で…
およそ8メートルの太い幹が、真っ二つに折れてしまいました。
屋久島ガイドオフィス山岳太郎 渡辺太郎さん
「自分の目線くらいのところで完全に倒壊している。私たちがガイドツアーでよく行く場所で、思い入れのある場所。寂しい」
今後、懸念しているのは観光への影響です。
屋久島ガイドオフィス山岳太郎 渡辺太郎さん
「屋久島って9月、10月、11月くらいまでまだまだピーク。観光的なダメージは心配している。長期化しないように、いま頑張って復旧作業している」
関東甲信や東海地方では、大気の状態が非常に不安定となっていて、3日も雷雨となるところがありそうです。これまでの大雨で地盤が緩んでいるので土砂災害には引き続き警戒が必要です。
