『犬の歯が折れてしまったときに取るべき行動』についてまとめました。犬の歯が折れると、歯髄(神経)や血管がむき出しになってしまうことがあります。ほんの少し折れた程度でも注意が必要です。
犬の歯が折れてしまったときに取るべき行動
犬の歯は意外と折れてしまいやすいです。歯の硬い部分であるエナメル質の厚みは0.3~0.5mm程度で、ヒトのエナメル質の厚み2~3mmに比較すると非常に薄いです。物を噛む力は人間の5倍~10倍もあるので想像よりも犬の歯は弱いと言えるでしょう。
犬の歯は欠けやすく、折れやすいと言えます。折れてしまいやすいのは犬歯ですが、上顎にある「第四前臼歯」も欠けることが多い歯です。
どのように歯が折れたのかによって違いはありますが、犬だって歯が折れると痛いです。神経や血管が通っているからです。
折れた歯の断面から「歯髄」という部分が見えている場合には、とくに注意が必要であると言われています。どの歯であっても、愛犬の歯が折れてしまったときは、できるだけその日のうちに動物病院へ行きましょう。折れてしまった歯の状態にもよりますが、元の歯の状態に戻すことができる場合があります。
残念ながら歯冠の修復はすべての動物病院でできるわけではありません。ひとまず、かかりつけの動物病院で診察を受け判断してもらいましょう。
犬の歯が折れてしまったときにやってはいけないNG行為
では反対に、犬の歯が折れてしまったときにやってはいけないNG行為とはどのような行為なのでしょうか。
そのままにしておく
「歯の先がほんの少し折れてしまっただけだから…」と、そのままにしておくことは、犬の歯が折れてしまったときにやってはいけないNG行為です。
歯髄(神経)が出てしまった状態の場合、痛みを伴います。細菌が歯の内部に侵入すると、細菌感染が起きます。歯髄が壊死し、根尖性歯周炎が起きます。
ほんの少し欠けただけであっても、必ず動物病院で診てもらいましょう。
人間用の痛み止めを飲ませる
歯が折れてしまい、痛がったり、ごはんを食べなかったりするからといって、人間用の痛み止めを飲ませることは、犬の歯が折れてしまったときにやってはいけないNG行為です。
犬に処方されるお薬の中には、人間用のお薬とほぼ変わらないものもありますし、人間用のお薬が処方されることもあります。
だからと言って、飼い主の「たぶん大丈夫」といった安易な判断で飲ませてしまうと、強い副作用が起こる可能性もありますし、死に至る可能性だって無視できません。
必ず獣医師の診察を受け、処方された痛み止めのお薬を飲ませるようにしましょう。
犬の歯が折れてしまう原因と予防法
そもそも、犬の歯は、どのようなことが原因で折れてしまうのでしょうか。
ここからは、その原因と予防法について解説します。
ヒマラヤチーズを食べたから
ヒマラヤチーズを食べたことで歯が折れてしまったと、動物病院で治療を受ける犬が多いそうです。
乾燥させた硬いチーズなので、犬にとっては噛み応え抜群でしょうし、ストレスの発散にもなるでしょう。しかし、歯が折れてしまう原因になりやすいため、注意して与えなければなりません。
ヒマラヤチーズは、小さいサイズに切って与える、スライスして与えるなどしましょう。
動物の骨を噛んだから
ストレス発散やひとり遊びにと与えた動物の骨で、犬の歯が折れてしまうことがあります。
何の動物の骨なのかにもよりますが、もしも与えることがあれば、愛犬の歯よりも硬さのある動物の骨は与えない方がよいでしょう。
おもちゃを噛んで遊んでいたから
犬用のおもちゃを噛んで遊んでいたことが、歯が折れる原因になることがよくあります。
硬いおもちゃほど壊れにくく、破片を飲み込んでしまうなどの恐れも少ないため、与えることがあるのではないでしょうか。
目安としては、「ハサミで切ることができる程度のおもちゃ」であれば、犬の歯が折れてしまう心配がないと言えるでしょう。
ケージの網の部分を噛んだから
「ここから出して~!」と、ケージの網の部分を噛む習慣がある場合、犬の歯が折れてしまいやすいです。
金属で作られているため、ヒマラヤチーズよりも、動物の骨よりも、犬用の硬いおもちゃよりも、ずっとずっと硬いです。
なぜケージの網を噛んでしまうのか、その原因を知ることで、歯が折れてしまうことも予防できるのではないでしょうか。
まとめ
愛犬の歯が折れてしまったときは、できるだけその日のうちに動物病院へ行きましょう。
時間が経ってしまうと、抜歯をしなければならない可能性が高いです。全身麻酔が必要な処置です。健康状態によっては、抜歯が受けられないかもしれません。
ほんの少し折れただけだからと放置せず、すぐにかかりつけの獣医さんに相談してくださいね。
関連記事
・家族の中で「犬が一番好きな人」を見極める方法とは?
・犬が飼い主に体をこすりつけるときの心理とは?状況から考えられる病気も
・犬の嫌いな音を知っていますか?
・犬が飼い主にタッチしてくる時の5つの心理
・犬を抱きしめるのはNG!飼い主にやめてほしい5つのこと