上田正樹 9/27 東京 渋谷でライブ「僕の皮膚の下に音楽がある　やれるうちはライブを　いまここからがスタートや」チケ販売中

「上田正樹がR＆Bを歌って、世界中に届くような歌をこれからつくっていきます」

「悲しい色やね」（作詞：康珍化 作曲：林哲司）など、数々の名曲を歌い紡いできたR＆Bシンガー上田正樹（75歳）が、「上田正樹R＆B BAND Special Guest：永井“ホトケ”隆・山岸潤史」と題した一夜限りのライブを、9月27日、東京・さくらホールで展開する。

ギター＆ボーカルには、「サウス・トゥ・サウス」以来の盟友・有山じゅんじ、ブルースシーンをけん引するバンド「ウエスト・ロード・ブルース・バンド」から永井“ホトケ”（ボーカル）と山岸潤史（ギター）もステージに立つ。

この一夜限りのライブを前に、上田正樹はなにを想い、どうステージを描くか。こう語ってくれた。

――― 豪華なメンバーが出演されますが、盟友・有山じゅんじさんがバンドにいるというのは心強い感じがします。

「出会った当時から“ラグライム”という音楽をやっていて、ブルースの親戚みたいな感じなんですけど、それがめっちゃ良かったんです。すぐに『いっしょにやろう』って声かけました。

有山はラグライムの名手で、いまでも世界一やと思ってます。ラグライムをベーシックにして“大阪”を歌うというのが『ぼちぼちいこか』（1975年）です。

1週間でつくったので、変な歌詞が多いんですけど（笑）、そのときに出会って、すぐにレコーディングできたのが良かった。僕にとってすごくラッキーなことでした」

「70年代はすごくいい時代やったな」

――― そこから“上田正樹とサウス・トゥ・サウス”へと。

「はい。サウス・トゥ・サウスは結局ライブアルバム（『この熱い魂を伝えたいんや』）しか出せなかったんですけど、70年代は自由な発想がいっぱいありましたから、すごくいい時代やったなって思います」

――― ゲストで「ウエスト・ロード・ブルース・バンド」から永井“ホトケ”隆さんと山岸潤史さんが参加されるということで、当時の雰囲気も今回のライブで味わえそうですね。

「彼らを最初に見たのは B.B.キングの前座で演奏したときでした。ホトケとはボーカルのスタイルが違っていて、僕はフェイクを入れたがるんですけど、彼はほとんど入れない。

そういう違いも、最近ではお互いのことを尊敬し合って、理解し合ってます。ホトケとはしょっちゅうメールでもやり取りしてますよ（笑）」

「悲しい色やね」を振り返る

――― 80年代では「悲しい色やね」の大ヒットしました。

「時代の変化とともに音楽シーンにも変化があって、80年代に入ると歌謡曲が主流になっていました。

僕自身はずっとアンダーグラウンドでいいと思っていたんです。

でも、外から歌謡曲を批判するのはやめようと思って、一回自分で歌謡曲をやってみて、それが自分の身体に馴染まなかったらやめればいい、そんな気持ちで入っていきました。

『やっぱり馴染んでないなぁ。やめようかな』って思ったころにレコーディングしたのが「悲しい色やね」だったんです。

それが売れまして。あの時代に出したからこそ売れたのかなと思いますね」

――― その後もライブで歌い続け、最近では歌謡曲というより、“R＆B”といったほうがしっくりくる感じのアレンジですね。

「そうなんですよ。あの曲も自分の中でどんどん変化を遂げていって、いま、すごく R＆B になっています。

この曲に限らず、自分の中のベーシックみたいなものとして R＆B ができあがったかなって思うんです。

50年くらいかかりましたけど（笑）」

「僕の皮膚の下に“音楽”がある」

――― 現在のバンド名が「上田正樹 R&B BAND」というくらいですから。

「僕の師匠的存在はレイ・チャールズです。彼の演奏は日本は勿論、海外もあわせて数えきれないほど生で聴いていて、僕のことを“マサキ”って呼んで可愛がってもらいました。

『あなたにとって音楽とは何ですか？』って聞いたら『“血”のようなもの』って答えたんです。

歌や演奏からいろんなものを感じたり、学んだりしました。

まだ“血”まではいかないかもしれないけど、いま、僕の皮膚の下に“音楽”がある感じはします。身体の一部になってきたかなって」

――― 今回のライブも含め、近年ますます積極的にステージに立たれている印象があります。

「僕も75歳になりましたし、周りの仲間のミュージシャンが亡くなったりすることもありますから、やれるうちはライブをやろうと思っています。

生存確認みたいなところもありますね（笑）。

それといま、声の調子がいいんです。20代の終わり頃、アメリカのボイストレーナーに教わったことがあって、『背骨を使え』っていわれたんです。

当時は、『どういうこと？』って感じだったんですけど、50代になってから、ステージで歌ってるときにわかったんです。

『背骨を使うってこういうことやったんか！』って。

そこから声が出るようになって、70超えてからも声の調子はどんどん良くなってて、『いまが一番声出てる』っていわれるんです。

なんか、50年くらい経って、自分の中で“R&B”というベーシックが出来上がったような気がしますし、声の調子もいいですから、本当、いまここからがスタートやと思ってます。

上田正樹がR＆Bを歌って、世界中に届くような歌をこれからつくっていきます」

――― 今回のライブも期待しています。

「バンドのメンバーも一流ですし、ゲストも含めて、信頼関係が築けているので、ぜひたくさんの人に観にきてもらいたいですね」

チケットは イープラス ローソンチケット チケットぴあ で発売中

詳細は、上田正樹 公式サイトへ。
http://www.masakiueda.com/information/

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