兵庫県知事のパワハラ疑惑などを調査する百条委員会で、きょう2回目の証人尋問に出頭した斎藤知事。疑惑を告発した県の元幹部の処分について、改めて適切だったとの認識を示しました。
【動画】“パワハラ・おねだり疑惑” 兵庫・斎藤知事の百条委員会 元副知事「知事が『徹底的に調べて』と」証言
斎藤元彦知事
「全体として、文書が意図したいところを含め、事実でないことがたくさん含まれていると思った」
兵庫県の斎藤元彦知事はきょう午後の証人尋問で、知事の疑惑を告発した文書についてこう述べ、文書を作成した県の元幹部への処分が適切だったとする認識を示しました。
文書が明るみに出た今年3月には、強い言葉で元幹部を非難していました。
斎藤元彦知事（今年3月）
「事実無根の内容が多々含まれている。ありもしないことをるる並べた内容で。うそ八百含めて、文書を作って流す行為は公務員として失格です」
元幹部は4月にも、公益通報制度を使って内部通報しましたが、県は保護対象とはせず、元幹部を「告発者」と特定して懲戒処分に。
これまでの百条委員会で公益通報の専門家からはこの「告発者さがし」に違法性があるとの指摘も出ていましたが、きょう午前、その全容を知るキーマンが出頭しました。
記者
「午前10時30分です。片山元副知事が証人尋問に出頭します」
知事のかつての「最側近」、片山安孝元副知事です。その表情にはどこか余裕も見られました。一連の告発者さがしの「始まり」については…
片山安孝元副知事
「（告発文書を）誰が出したのか、どういう目的で出したのか。その日の打ち合わせのときに、知事から『徹底的に調べて』と言われた記憶がある」
知事から告発者の特定を指示されたと証言しました。さらに…
片山安孝元副知事
「〈Q.第三者機関で調べるという認識もなかった？〉（第三者機関で調べるという認識は）頭の隅にありましたけど、知事にすぐ直後に言ったが、『第三者機関は時間かかるよね』と否定されたと報告を」
その後、処分を急ぐ知事の意向を受けた片山元副知事らが主導するかたちで、県は複数の職員のメール履歴を調査。告発者として元幹部の存在が浮上し、本人への事情聴取が行われたのです。
証人尋問の終盤、知事へのパワハラ疑惑について自身の見解を問われると…
片山安孝元副知事
「私は（知事から）ふせんを投げられたのは事実としてあったし、厳しく叱責するすることは間違いなくあると思った」
きょう午後、2回目の証人尋問に臨んだ兵庫県の斎藤元彦知事。
午前には、かつて側近中の側近だった片山安孝元副知事が一連の告発者さがしが知事の指示で行われたと証言していましたが、この点については…
斎藤元彦知事
「だれがこの文書を、なぜ作成したか。意図などをしっかり事案として把握することが大事だと指示しました。（Q.徹底的に調査するよう指示した？）そのように記憶している」
その一方で、「知事が第三者委員会の設置を進言された際に、『時間がかかる』などと拒否した」とする証言については真っ向から否定しました。
斎藤元彦知事
「第三者委員会をやりましょうとか、そういった話はなかったと記憶している。むしろ、懲戒を含めた可能性があるところなので、人事課でしっかり調査していくことが大事だという話になった」
また、片山元副知事に責任をなすりつけるような場面も。
斎藤元彦知事
「（Q.片山元副知事から、事情聴取をしようと提案されて了承した？）確かそうだったと。（Q.詳細については、片山元副知事に一任？）そうですね」
しかし、「元幹部の告発文書は『誹謗中傷性』が高く、公益通報には該当しないため、一連の告発者さがし自体に問題はない」とするこれまでの主張は曲げませんでした。
こうした答弁を受けて、県議会では今夜、自民党の会派が不信任案の提出を含めて協議するということです。
