パリパラリンピック車いすテニス男子シングルスで史上最年少の金メダリストとなった小田凱人(18)。今大会で失ったのはわずか1セットと圧倒的な強さを見せた。決勝(日本時間7日)の翌日インタビューに応じた小田は「何がどうなっても結局自分は表彰台の真ん中にいるだろうな」と思っていたことを明かした。
プレーで魅せるのはもちろん、今大会はいくつも印象的な言葉を残した小田。快勝した初戦の後には「別に僕は金メダルを獲りに来ているわけではなくて、それは銀でも銅でもいい。パラリンピック、オリンピック関係なく(自分の試合が)一番面白いと自信を持ってプレーしているし、それを見せに来ている」と熱く語った。
準々決勝後、世界ランク1位でライバルのアルフィー・ヒューエット(イギリス)について聞かれると「特にやばいって感じもなくいけるっしょって感じ!」と自信満々。さらに準決勝を振り返った際には「過去一番調子がいいんでちょっと負ける気がしない」と強気な言葉を繰り返した。
まさに“有言実行"で頂点に輝いた小田。優勝を決めた後の派手なパフォーマンスでも注目を集めた。「1回何かの拍子にくるくる回ってこけたことがあって、これ使えるなと思って」と、車いすの車輪を外し、コートに倒れ込み喜ぶ姿を披露した。
小田がここまでインタビューやパフォーマンスで話題を作るのは、一人でも多くの人に車いすテニスを知ってもらう機会をつくるためだ。小田は「一瞬のバズで終わるのか、継続的な一番最初の一歩になるのかは、多分僕が何をするかで決まっちゃうと思う。とりあえず活躍し続けて試合に勝ち続けることと、もうあとは行けるところまで行きたいなと思っています」と話し、インタビューを締めくくった。「車いすテニスを人気スポーツへ!」小田の戦いはまだ始まったばかりだ。
小田は9日午後7時ごろ羽田空港に到着。疲れた表情ひとつ見せず、集まったファンに笑顔で応じていた。今後は、9月27日~29 日に行われる「木下グループジャパンオープンテニスチャンピオンシップス 2024」(東京・有明)車いすテニスの部に出場する予定だ。