■全日本フィギュアスケート選手権2024(21日、大阪・東和薬品RACTABドーム)
男子シングルのフリースケーティング(FS)が行われ、今季限りで引退を表明している織田信成(37、大阪スケート倶楽部)が合計234.68点をマークし、総合4位で最後の全日本を終えた。
前日のショートプログラムでは「マツケンサンバ2」の軽快なリズムで観客を引き込み、4回転トウループからの連続ジャンプを決めるなど会心の演技を披露した。
大歓声で迎えられたフリーは冒頭の4回転トウループで転倒するも、続く3回転ルッツ、3回転アクセルからの連続ジャンプは着氷。後半は3回転フリップからのコンビネーションを決めるなど立て直し、雄大な曲調に乗った演技で魅了し、最後まで滑り切った。
演技後はリンクに右手をつき、スタンディングオベーションで沸く観客に手を振って応えた。リンクから上がる際は振り返って深々と頭を下げ、前日は大号泣だったキスアンドクライでは、この日は涙ではなくどこか安堵の表情に。2010年バンクーバー五輪代表のベテランが、地元大阪で最後の全日本を締めくくった。
フリーを終えた織田は「もう本当に感謝の気持ちでいっぱい」と話し、「皆さんの拍手が力になって滑り切ることができた。全然平坦な道ではなかったけど、色々な経験ができて、すごく豊かなスケート人生だった」と現役生活を振り返った。