立憲民主党代表選の立候補者4人がTBSの報道番組「news23」に生出演。野田佳彦元総理・枝野幸男前代表・泉健太代表・吉田晴美衆院議員に「直近3年間の立憲民主党の成果」や「次の衆議院選挙の目標議席数」を問いました。代表が決まる投開票日は9月23日です。
【写真を見る】立憲・支持どう拡大?野田氏「自民党支持層にも…」、枝野氏「全員当選」、泉氏「裏金問題に決着」、吉田氏「当たり前の政治を」【news23討論会・後編】
【前編・後編の後編】
次の衆院選で目指す議席数は?“政権交代”に向け訴えること
小川キャスター:
どのように支持を広げていくのか、政権を本気で取りに行くためにはどうするのかということも伺います。
藤森祥平キャスター:
2024年9月9日現在、衆議院の定数465人のうち野党第一党である立憲民主党は98議席、自民党は単独で過半数の254議席です。
この現状を踏まえた上で、政権を本気で取るために、代表になったら次の衆院選で何議席を目指すのか、目標をかかげていただきました。▼野田元総理は「自公過半数割れ、比較第1党の議席」、▼枝野前代表は「立候補者の全員当選議席」、▼泉代表は「国政第一党議席」、▼吉田議員は「233議席」、つまり単独過半数という数字となっています。
小川キャスター:
目標を達成するために何をすべきなのか、何を訴えていくのか、どうお考えですか。
泉代表「国政第一党議席」:
この目標というのは党大会で定めた目標でもあります。今一丸となってやっているわけですが、裏金問題に決着をつけるという世論を僕ら自身が巻き起こしていかなきゃいけないというのがまず一つとしてあります。
そして立憲民主党には政治改革案は、既に提出しているものがあるので、その政治改革案の実現を世の中に訴えていきたいと考えています。
さらには、私は単独政権を担っていく、目指していくことに加え、選挙の時期によっては、我々の候補者擁立が間に合わない可能性もあるかもしれないので、「ミッション型内閣」ということをも訴えてきました。
このミッション型内閣は、主に国民民主党とも連立を構想し、教育の無償化、政治改革、そして賃上げ政策などに一緒に取り組めるものがあると考えており、新しい政権を作っていきたいと思っています。
枝野前代表「立候補者の全員当選議席」:
私はこれまで幹事長や代表を務めさせていただきましたが、ずっとそのような立場のときは、「立候補者の全員当選」を目標として申し上げています。
それは有権者の皆さんからは「好きで立候補しているんだろう」という話かもしれないですが、やはり多くの候補者は、執行部、代表や幹事長、選対委員長が「ぜひ国会に来てください」と声をかけ、色々な仕事とかを投げうって、人生をかけて立候補していただいています。
そうした人の中で「誰か落ちてもいい」みたいなことは、建前かもしれないですが、まず擁立をする、お願いして立候補してもらっている側としては、僕は言っちゃいけないと思っています。常に全員当選できるように頑張る。それが僕は執行部の役割だと思っています。
野田元総理「自公過半数割れ、比較第1党の議席」:
少なくとも今、擁立が190人ぐらいですよね。少なくとも我々がやらないといけないのは、自民党の衆議院議員は、50人の裏金議員が立候補してくるんです。
党の処分が甘かったことに対して、国民はみんな怒っています。脱税事件ですから。だとすると、有権者がペナルティーを与えるようにするためには、候補者を立てて選択肢を作ることが、我々の責任だと思います。間違いなく200人を超える候補者を擁立しなければいけないです。
とはいいながらも、やはり現実的には自公の過半数割れに追い込み、比較第1党であるならば、政権を取るチャンスが生まれますので、そのために私は自分たちの議席を最大化もしなければなりませんが、野党の議席も最大化するという観点から、野党との対話がますます必要になってきているのではないかと思います。
TBSスペシャルコメンテーター 星浩さん:
例えば野党の候補が揃わずに、共産党の公認候補しかいない。共産党の公認候補と自民党の公認候補が争い、そこを野党がみんなで応援するという局面が、特に安倍政権の頃など今までにも何回かありました。「民主党は共産党と組むのか」という攻撃を自民党がするんですが、野田さんはそれでも良いという立場ですか。
野田元総理「自公過半数割れ、比較第1党の議席」:
協力の仕方は、これからの対話次第だと思います。
例えば選挙の前にどういう対話ができるのか、あるいは解散してからでも、よく選挙区分析した上でどのようなことがあるのか、あるいは選挙結果が出た後にどうするのか。それはやはり閣内で一緒にできるか、また閣外協力を求めるのか。首班指名まで協力してもらうのか、選挙区の調整が可能なのか、あるいは国会で我々が主張する政策を後押ししてもらうのか。それは対話によって違うと私は思いますが、少なくとも、共産党と同じ政権を担うということはできないとするならば、それは選挙のあり方がおのずと出てくるのではないかと思います。
小川キャスター:
吉田さんは「233議席」と明確に書かれています。どう達成していくのか、何を訴えていきますか。
吉田議員:
私はストレートに単独過半数を取っていきたいと思います。いま190議席で先ほど伺ったところ、あと20議席見込みもあるということなので、「233」の数字まで近づけていきたい。
これは一つの政治文化なのかもしれませんが、こういった数字を出すと「達成できなかったら責任を取れ」みたいなものがあると思います。でも、そういうもの自体を私は変えたいと思っています。
やはり「単独過半数取りたい」ということを私は示したい。そのために必要なことは、そこにある目的は自民党の裏金に対してどう決着つけるか。それを一対一の構図にする。これが一番大事だと思います。結局、与党を利するような言論の方向に持っていかれるのは危ないと思いますので、しっかりこれは示していきたいと思います。
視聴者が期待…「政治とカネ」「賃上げ・減税」
小川彩佳キャスター:
番組でアプリを通じて「立憲民主党に力を入れて欲しいことは?」をききました。9日午後11時10分時点で、最も多いのが「政治とカネ」政治改革、次が「賃上げ・減税」経済対策という結果です。
特に働く世代・若い世代はこの「賃上げ・減税」などに関心があるということですが、どう受け止めますか。
吉田議員:
やはり生活です。毎日の暮らしです。いま毎日食べるもの、本当に買い物の中で感じている食料品の「消費税非課税」。これをまっすぐに訴えたいです。直接家計に響く、これをやりたい。プラス子どもたちのための「教育の無償化」。これはどうしてもやりたいところです。
TBSスペシャルコメンテーター 星浩さん:
枝野さんは労働弁護士をやられていたこともあると思いますが、自民党の中で急に「解雇規制の緩和」が持ち上がってきました。これについて、枝野さんの経験からどう見ているのでしょうか。
枝野前代表:
そんなに労働事件をやったわけではありませんが、日本は働く人の移動は自由なんですよ。仕事をやめることについて何の規制もありません。いま言われてるのは、「クビにする自由を与えろ」という話なんです。
これは、ごく一部の企業経営者が望んでいることかもしれないけれども、ただでさえ不安定雇用で所得が伸びず、そのせいで消費が落ち込み、日本経済全体が30年伸びてきていない。ごく一部の経営者のためにこんな政策を言っているのは、国民生活と経済が見えていないことの裏付けであり、論外だと思ってます。
星浩さん:
泉さんにお聞きしたいのですが、自民党は今になって「政策活動費をやめる」と大合唱になっています。与野党の折衝のときは「廃止はできない」と、ずっと突っ張ってきました。この辺はどういうふうに見ていますか。
泉代表:
本当に呆れ、驚き、本当にひっくり返るような話です。これまで我々は、本当にいい政策だと思って訴えてきた。しかし、それは全部自民党に跳ね返された。
考えてみると、10年前も同じことをやっていて、まさに子ども手当の所得制限について、彼らは当時大反対をして、当時の民主党政権の子ども手当を潰しておいて、いまになって10年遅れで子ども手当の所得制限を外す話をしている。しかし、その間に少子化はどんどん進行したわけです。
急にいま今回の「政策活動費をやらない」と言ってみたり、「防衛増税をやらない」と言う。これは立憲民主党がオリジナルでずっと言ってきたことです。だから、本当に呆れるばかりですが、私はすこしプラスに考えています。自民党がこの政策に賛成をするということを表明したんだなと。であれば、立憲民主党が政権を取れば、自民党は反対しないということを言っているに等しいので、ぜひ立憲民主党に政権を取らせていただいたら、大きな改革がいろいろできるようになってきたと、私はそう思ってます。
小川キャスター:
逆に言うと「わざわざ立憲民主党を支持しなくてもいい」となってしまいませんか?
泉代表:
そこは、ぜひ国民の皆さんに「こんないい加減な自民党だ」というのを見ていただきたい。まず、国民に知らせずに悪いことをやっていた、裏金を隠していた自民党であり、しかも、国会で野党の言うことには反対をし続けたが、結局、選挙が近づくといいことを言っているというのも今見えてきてる姿勢なので、そこをぜひ皆さんに見ていただきたい。
星浩さん:
アメリカのカマラ・ハリスさんが大統領になったら、共和党の閣僚も起用する考えがあるという話をしています。野田さんが仮に総理大臣に返り咲いた場合、自民党の中でも志を一緒にする人ならば、自民党の人を登用する意思はありますか。
野田元総理:
我々が比較第1党となり自公を過半数割れにしたときは、野党としっかり連携して、対話していくのは前提ですが、我々は今回、政治とカネの問題では、自民党支持層にも食い込んでいくメッセージを出していきたい。無党派にも、やはりメッセージをお送りしたいという中で、自民党の中で化学反応が起こり、出てくる人がいるならば可能性があると思いますね。出てくる人ですよ、こちらから引き抜くということはありません。
小川キャスター:
今回の立憲民主党代表選の顔ぶれを見ると元代表や元総理など、これまでトップを務められた方々が多くいます。顔ぶれを見ても、ここから「新しい立憲民主党が見られる」という期待感はなかなか見られないのではと感じてしまいます。トップが変われば刷新感が生まれるというわけではないと思いますが、この立憲民主党の現状についてどのように感じられますか。
吉田議員:
今のご指摘もあるかもしれません。ただ、1期生が手を挙げるというのは、自民党ではあり得ないし、それが実際に叶うというのが立憲民主党の良さであり。ジェンダー平等や期数に関係ない、あらゆる新しいことに挑戦していく。その一つの結果が、こういう形で私が出馬できたということでもあるのかなと思います。じゃあ、新しいものは何か、この先に私達が実現するものは何かということをお約束することだと思います。
「自民党も同じこと言ってるんだから、自民党に任せたらいいじゃないか」というご指摘もありましたが、(自民党は)約束を守らないですから。そこが私はやはり自民党に任せちゃだめなところで。
「選択的夫婦別姓」も今、言い始めましたけど、ずっと私はこの国会中に言っていました。あのときなぜ賛成しなかったんですか。なぜ選挙前なんですか。選挙の後、確実にやるんですか。国民との約束、そういう当たり前の政治が私は必要なんじゃないかと思います。
立憲民主党 代表選について「みんなの声」は
NEWS DIGアプリでは『立憲民主党 代表選』について「みんなの声」を募集しました。
Q.立憲に力を入れて欲しいことは?
「『政治とカネ』政治改革」…40.7%
「『賃上げ・減税』経済対策」…27.7%
「少子化対策」…4.6%
「社会保障対策」…15.7%
「特にない」…8.0%
「その他・わからない」…3.3%
※9月9日午後11時10分時点
※統計学的手法に基づく世論調査ではありません
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