「紀州のドン・ファン」と呼ばれた資産家の男性が殺害された事件。殺人などの罪に問われた元妻は初公判で「無罪」を主張しましたが、検察側は、元妻が『老人・完全犯罪』などと検索していたと指摘しました。
【写真を見る】“紀州のドン・ファン”殺害で初公判 「無罪主張」の元妻「老人 完全犯罪」検索か【news23】
元妻「老人 完全犯罪」検索か
元妻は、ノースリーブの黒のワンピースにマスク姿で法廷に姿を見せました。起訴内容について問われると、少し前のめりになりながら、
須藤早貴被告(28)
「私は社長を殺していませんし、覚醒剤を摂取させたこともありません。無罪です」
無罪を訴えたのは、無職の須藤早貴被告。社長とは、夫で自らを“紀州のドン・ファン”と名乗った資産家の野﨑幸助さんです。
野﨑幸助さん
「私はいつも7億円くらい自分の家で置いている」
野﨑さんが55歳も年の離れた須藤被告と結婚したのは2018年2月。しかし、そのおよそ3か月半後、野﨑さん(当時77)は突然、亡くなります。
逮捕・起訴されたのは、須藤被告でした。和歌山県田辺市の自宅で、野﨑さんに何らかの方法で致死量の覚醒剤を摂取させ急性覚醒剤中毒に陥らせて殺害した罪に問われています。
そして、9月13日の初公判。検察側は冒頭陳述で…
検察側
「完全犯罪。被告が野﨑さん殺害にあたってたくらんでいたことです」
「自殺や事故死は考え難く、財産目当てで結婚し、莫大な遺産を得るために殺害した」などと主張。
事件の経緯については、「事件のおよそ半年前、知人の紹介で野崎さんと知り合って結婚し、月に100万円を受け取っていた。野崎さんに離婚届を見せられた頃にインターネットで『老人 死亡』『老人 完全犯罪』などと検索した履歴があったことや、密売サイトを通じて覚醒剤を注文した」などと述べました。
事件当日は、「野崎さんが須藤被告と数時間2人きりでいたことで、十分な犯行の機会があった」としました。
一方、弁護側は「検察は須藤被告が殺意を持って覚醒剤を飲ませたと立証できるのか、判断してほしい」などと訴えました。
目撃者などの直接的な証拠がない中、検察は状況証拠の積み重ねで須藤被告の犯行を立証する方針です。